◆ FUJI PHOTO FILM CO. (富士フイルム) FUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産は
FUJICA製標準レンズ・・・・、
FUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

ご落札頂きましたぁ〜!(涙) ありがとう御座います!
今回も出品後、僅か2分弱と言う瞬札でまたヤフオク! のシステムエラーなのかとあっちこっち出品したハズの出品ページを探しまくっていました(笑)

感謝感激です・・!

今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は当方がオーバーホール作業を始めた10年前からの累計で当時のFUJICA製標準レンズ「55mm/f2.2」の括りで捉えると累計で68本目にあたりますが、今回扱った個体「前期型」だけでカウントすると44本目です。

他に先日オーバーホール済でヤフオク! 出品した大変珍しい「初期型」が1本に「後期型」が23本、さらにそれらの中で「前期型」だけを筐体外装の材質を基に細かく分類すると「前期型エンジニアリング・プラスチック製」が20本に「前期型一部金属製」が16本という状況ですが、今回扱った個体は1年ぶりに手に入れた「前期型総金属製」になり扱い累計本数は8本目と更新できました。

つい先日もこの「前期型総金属製」を1本オーバーホール済でヤフオク! 出品しました (瞬札でした!ありがとう御座いました!) が、昨年も全く同じだったのですが、ほぼ毎日調達の為に国内と海外合わせて市場動向をチェックしているにもかかわらず、不思議なことに「前期型総金属製」が出回るタイミングと言うのは必ず集中して出現します。

・・その意味では今回も引き続き先日の個体同様今年2本目をようやくゲットです!

なおこのモデルで「後期型総金属製/一部金属製」は存在しない事を既に確認済なので、逆に「初期型オールプラスチック製」が顕在する事も掴んだ為「総金属製」狙いとなれば自ずと「前期型」だけがターゲットと言う話になります。

確かに別に筐体外装の材質がプラスチック製なのか金属製なのかの違いだけなので、特にこだわらないと言う考え方もあるのですが、これが人情なのかとも感慨深さまで感じますが、不思議と「総金属製になるとまるで高級感しか感じない」から堪りません(笑) たかが廉価版モデルで何をそんなに大袈裟に騒ぐのかと思われるでしょうが、このモデルの (正しくは特異な光学設計から来る) 描写性に大きな魅力を感じる人達にすると、プラスチック製なのか総金属製なのかの違いにも相応にこだわりが現れてくるものなのだと、最近感じ始めています。

・・そういう部分は人情になるとなかなか矛盾さえも超越しかねないので趣を感じますね(笑)

モデルバリエーションなどについては先日オーバーホール済でヤフオク! 出品した個体の当ブログ掲載があるので、こちらFUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)』をご参照下さいませ。

このモデルの内部構造や筐体外装の材質については今までのアップをご参考にして頂く事として、今回は久しぶりにこのモデルが吐き出す写真の描写性についてご案内したいと思います。巷ではこのモデルについて「バブルボケ/シャボン玉ボケ」と騒ぎ立てていますが(笑)、実はそれだけが魅力ではなくて「特異な光学系を実装しているからこそのステキな表現性がある」点を敢えてご案内したいと思います。

一応光学系の構成図を右に示します。4群4枚のフジノン型と当方では定義しましたが、実の処そこまで到達するには相当長い時間の葛藤がありました。特に某有名処でアップされていた解説に出てくる光学系の「」の如く説明している内容が影響して、あ〜だこ〜だ苦しんだのですが「或る人からの一言で救われた」如く「フジノン型」と括る事に至りました (ありがとう御座いました!)。

またその意味では普段当方がいつも指摘しているとおり、特に光学系知識も疎く明るくない当方としては、このモデルが吐き出す写真の隅々まで等倍鑑賞しての「光学性能云々の話」については、むしろ一切興味関心がないので今回も全く触れません(笑) そっちの方面は熱心にご研究の方々が数多くネット上にアップしているので、是非そちらをご参照下さいませ。

・・当方にとり所詮オールドレンズなどは画の印象から捉えるほうがむしろ愉しいのです(笑)

何度も言いますが、そもそも残存収差に悩みつつも「何を活かし何を捨てるのか」と言う命題の中で、苦しみつつも光学系の発展と共に変遷してきたのがオールドレンズなので、画の性能云々を追求し追い求めるなら、それこそ今ドキのデジタルなレンズで等倍鑑賞すれば良いものを、何故にオールドレンズ相手にあ〜だこ〜だ言いたいのかいまだに皆目見当が付きません。

また特にオールドレンズとなればそれなりに製産後から時間を経て様々な歴史の中を巡ってきた個体が巷に流通しているのが当然な話なので、そこには少なからずも自分の身内や親族が愛用していたオールドレンズのモデルもあったりすると容易に察しが付きます。

となれば、それら愛用していたオールドレンズの光学性能が悪いからとあからさまに酷評を受けてしまうと、それこそ自分の身内や親族との思い出まで巻き込んで複雑な心境に至ったりする事も十分想定できるハズなのに、この世知辛い世の中では「平気で酷評するサイトが横行している」のが現実ではないかと思います。

あ〜だこ〜だと良い悪いをしきりに語りたくなる思いも人情として理解できないワケではありませんが、少なくとも今ドキのデジタルなレンズよりも「関わってきた人間の数が多いのは圧倒的にオールドレンズのほうではないのか?」との配慮に立つなら (いいですか・・配慮はいりょですョ!)、当方は酷評を平然と下していく姿勢にある意味の嫌気さえ感じますね (正直なところそういう勢力の人達と関わりたいとは思わない)。

その意味で、はたして酷評している人達にとってその酷評対象となったオールドレンズ達に対する慈しみが在るのか否か、甚だ疑念を抱かざるを得ませんね。どうしてもそのオールドレンズの画質についてあ〜だこ〜だ述べたいなら「良い悪い」ではなくて傾向を述べれば良いだけの話で、どうしていちいち角を立ててまで光学知識を自慢したいが如く振る舞うのか「時として人心を危める事もある」と知る事も必要ではないかと思いますョ。

実はそのような内容でメールを頂いたので、当方自身が今までさんざん某電気専門店でパワハラに何年間も苦しんできた身の上として、決して黙ってはおられず今回ここで当方の見解を「敢えて」述べさせて頂きました (もちろんこの内容がパワハラなどに一切抵触しないのを承知の上です)。

確かに酷評を受けても仕方ないようなオールドレンズのモデルが在るのは事実ですが、そこにはその対象となる個体に附随して「人の想い」が重なる事も有り得るのだと、どうかご認識頂き可能な限りでも良いので「酷評に対する改善」をひたすらに影で願うところです (M様互いに熱く語ったとおりできる限りの意思表示としてここに明言させて頂きました/当方は貴方様の味方です!/ちゃんとそのメール送信者の方にはこのブログで明示する事に許諾頂き、むしろそのような想いを寄せてきたと当方が受け取り実行に至ったという、今までのメール授受に於ける経緯です)(涙)

・・別にオールドレンズに限らずとも身内の想いが重なるモノは数多くあると思います。

そのような領域まで思いを馳せる事こそが「思いやり大国ニッポン」たる所以だったのではないかと最近頻繁に思う次第です (過去形ですョ)(涙) 当方にとってはSNSなどがまさに今も毎日の中で脅威ですが(笑)、中にはフツ〜にネットのサイトで心を痛めつけられている人が居る事を知るべきと思います。然しこのように述べると今度は「オマエだって責めている対象があるだろう?」と言ってくる人が居るのでしょうが、残念ながらその趣旨の内容が全く違います。当方が責めたてている相手は事実を基に「ごまかし整備で稼いでいるヤツ」です(笑)

合わせてここまで述べてきたように同じオールドレンズ沼の住人でありながら、或る特定の赴きの人達に対しては、それこそ致命的にも成り得ない酷評を下していく方々に対しても、何某かの「配慮」或いはその対象たるオールドレンズへの「慈しみ」も少しで良いので示して頂ければ、まだ救われる思いです。

確かにオールドレンズ整備を生業とする『プロや匠』に対し物言う事は当方の立場と身の上からして相当に憚れますし、その一方で権威ある方などのサイトでも、まさに引用する文献やデータによる補強により「聖書の如く絶対的なポジショニングを執る」のも、当方のような人間には抗議する事も適いませんが、しかしどんなに優れた内容の文献やデータとしても「はたして真に解体して得た情報なのか光学系なのか」との一点に於いて、残念ながら当方はそれらに納得感を抱きません。

それこそまるで当方の無知ブリを曝け出している始末で、よくもまぁ〜そこまで述べるのかと貶められても仕方ないと重々承知しています。それでも現実にリアルに完全解体して得た「目の前の事実」は、どんなに権威ある方の見解だとしても、当方に対して何の説得にも至らないのが正直な感想です。

そのような話こそが医療業界のプロの方に (現役の医師の方に)「私達の病理解剖に一種相通じるモノがある」とのご評価を頂いた事実たる過去の経験からして、とても大きな「勇気」を頂戴し、今もひたすらにとこしえに感謝しかありません (当方が今のこの立ち位置に到達するまで頑張ってこられたのもこの御言葉があったればこそなのであって、そこに感謝が存在しないハズがありません)(涙)

従ってネット上で唯一無二と崇められている多くのサイト情報と全く異にする内容を公然と平気に掲載し続けている点に於いて、どのように批判されても仕方ないと既に覚悟し、合わせて目障りな存在ならむしろ消えたほうが「その有意義な環境の範疇」から捉えるなら良いと考え (精神的にもたない) 引退を宣言した次第です。SNS上での誹謗中傷や今まで頂戴した批判メールも含め総て真摯な思いで受け取っております。確かに仰る通り自分の精神面で応えられないから今度は逃げるのかと言われればまさに返すコトバがありませんが(笑)、それにも増して「物理的に違うモノは曲げられない」と言う現実に葛藤の日々を過ごしています。逆に言うならそのくらいの脅威になる事を、是非とも『プロや匠』含め権威ある方までもご認識頂き、当方の引退に繋げていきたいと臨んでおります (圧倒的大多数を相手に身を張り刻まれ続けるのももぅ堪りません)(涙)

・・構造にしろ光学設計にしろバラして違うモノはどうあがいても違うのです。

ニュース記事からは日本に避難してきたウクライナ人に対し「仕事を選ぶヤツ」と在籍社員にメール送信している会社があると言う (避難してきたウクライナ人に対する就職先会社の上司によるパワハラ行為との判決が裁判で示されたという内容のニュース記事)、全く以て信じられない現実に接し、当方自身が今もPTSDの中でのたうち回っている現況からして、黙っていられない気持ちが強かったのでこのように述べてしまい、皆様には関係がない話しの内容に付き合わせてしまい、本当に申し訳御座いません・・お詫び申し上げます。

話が反れましたが (逸れさせないとなかなかこう言う話は語れないから) このモデルの描写性について以下に示していきます。

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↑上の写真はFlickriverで、このオールドレンズの特徴的な実写をピックアップしてみました。
ピックアップした理由は撮影者/投稿者の撮影スキルの高さをリスペクトしているからです
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で
転載ではありません。

一段目
左端からシャボン玉ボケが破綻して少しずつ円形ボケへと変わっていく様をピックアップしています。実は一番左端のような「真円で繊細なエッジのシャボン玉ボケ表出」はどんなオールドレンズでも可能な話ではありません。当方では例えば2枚目の写真のようにエッジが太めに近づくとシャボン玉ボケとは表現せずに「リングボケ」と定義しています。

逆に指摘するならシャボン玉ボケの場合のエッジ/境界はひたすらに繊細で細く、しかし明確にそのエッジを誇張する太さが残る場合に「シャボン玉ボケ」と定義しています。

この傾向は実は旧東ドイツは戦前から創業していたMeyer-Optik Görlitz (ドイツ語なのでマイヤーオプティック・ゲルリッツと呼称する) と言う光学メーカーが当時発売していた数多くのオールドレンズのモデルで「まさにシャボン玉ボケを表出しまくっていた」ので今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼に於いて特に有名になった「円形ボケの一種」です。

この「円形ボケの定義」についても以前アップしたこちらのページFUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)』で解説しているので興味がある方はご参照下さいませ。

特に「バブルボケ」との表現を好んで使っているのが今ドキのネット上の現状ですが、実は当方はこの現象について相当に危惧しています。何故ならこのニッポン人には至極当たり前に受け入れられている「ボケ味」と言う表現性について、この日本語をラテン語/英語に翻訳するとまさにその言葉の発音どおりに「bokeh」と英語辞書に登録されました。

今でこそ和製英語たるカタカナ英語表現は数多く顕在しますが、まるで逆の「英製和語」の如く登楼されたニホンゴはなかなか珍しいと思います。

さらにこの「bokeh」が世界で初めて登場した時期が判明していて、1997年にMike Johnston氏による写真雑誌の記事にみることができます。この時世界で初めて「bokeh」と言う英語が登場します。もちろん日本語の「ボケ」から転生した英語なのですが (近年英語辞書にも登録) それまでの写真に於ける滲んだ部分の捉え方は「out of forcus (アウトフォーカス)」だけでしたから、ここに外国人のピント面に対する認識が垣間見えます (つまりピントが合焦しているか否かしか問題にしていなかった証)。それ故海外では長らくパンフォーカスでの撮影が常識だったと言う考察が検証されます (近年になって初めてそのように認識された)。

ところが最近数年間で撮影されている「bokeh」を対象とした実写を観るにつけ、日本国内はともかく海外で「bokeh玉ボケ」の如く捉えられている危惧をとても大きく抱いています。それほど次から次へと「玉ボケ」ばかりの実写で、まるでX’masシーズンのイルミネーションのようです。

元来、ニッポン人にとり「ボケ」と言うコトバの表現は、例えば漫才でも相当昔からの長き歴史で採り入れられてきたハズですし、本来の意味たる「ボケ味」も様々なボケの味わいを示すコトバであって、決して「玉ボケ」だけを指す表現ではなかったと受け取っています。

さらに言うなら「bokeh」を定義した本人たるMike Johnston氏もちゃんと「bokehaji」の解説まで含めていたので、いったいどうして「bokeh玉ボケ」に至ってしまったのか困惑しています。

何しろ今ドキはまるでウソでも拡散しまくったら「それこそが正義/」として広められ認識されてしまう時代に突入しているので、このような誤った認識が世界に拡散していく傾向に相当な危機感を抱いています。

・・全く以てSNS含めイヤな時代に入ってしまいました(涙)

当方などは、結婚前は妻に毎週必ず手紙をしたためて郵送していた昭和生まれですから(笑)、今ドキのLINEでサクッと短文で済ませてしまう文化になかなか馴染めないままです(笑) 意思疎通がそのような短文で済ませられるのかと問われれば、決して完結していないのが明白にもかかわらず「深入りしないのが美徳」の如く、はたして疎通が成されないままに人生を送る事が叶う時代なのだとすれば、それもまた正しいのでしょう(笑) こんな事柄を考えていると頭ン中がグチャグチャになっていくので余計な事は考えないのが当方には美徳です(笑) それこそ戦後昭和の角刈り頭の白黒写真でも探して懐かしんでいるのがオチだったりします(笑)

・・話が激反れしてしまいました(汗)

左端のシャボン玉ボケから滲みまくって単なる円形ボケへと変異していく中も、実の処ちゃんと真円度を維持できているのが「まさにシャボン玉ボケ要素の真髄」である事をご認識下さいませ。他の数多くのオールドレンズでは真円を維持する事が適いません。

二段目
円形ボケに至ったボケ味は次第に収差の影響を受けて乱れ汚く「背景ボケ」へと遷移します。ところがこの乱れたボケ味を「収差だから」と捨てずに「背景効果として活用してしまう」のが今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼にはとっても相応しい話になります。実際どの実写を観てもまるでピント面の被写体をちゃんとターゲットとして残してくれています。

詰まるところ「収差」もその活かし方がちゃんと顕在するのだと「改めて気づかせてくれたのが今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼」ではないかと最近強く感じております。もっともそもそもフィルムカメラの時代からしてそれら「収差」がその程度の大きい少ないはともかくも、明確に認識できていたハズなので (今のデジカメ一眼/ミラーレス一眼の時代になって初めて視認できるようになった話では決してない)、実はそこに世界中の写真家に於いて「何某かの意識改革を経ている」のかもしれないと特に昨年から考え始めていて探求を続けています。

三段目
やがて大きく乱れつつも「収差」はさらに滲んでその境界を喪失しつつトロットロにボケ始めてついに一番右端の実写の如く溶けきってしまいます・・とは言いつつも、実はこのモデルの最短撮影距離が「60cm」なので、どう考えてもここまで拡大した近接撮影が適うはずもなく(笑)、おそらくはエクステンションでもかまして「最短撮影距離をさらに縮めた撮影」の写真と推察しますが、それは裏を返せば「このモデルの光学系の性能をまるで逸脱した写り」でもあり、はたしてそこにはそれをこのモデルの写りの範疇に受け入れるべきなのか否か、その葛藤がまた悩ましい話になりそうです(笑) しかしそうは言っても同じ個体の光学系で最短撮影距離を短縮した話なので、いくら光学設計を逸脱しているとしてもその写り方には実装光学系の特徴が現れるとも考えられます。すると問題なのはその時どこまで光学設計の特徴が及ぶのかとの話になり、それは未知数であり必ずしもそのモデルの特徴の範疇の中でボケ方が変化していくとも言い切れません。

・・それ故悩ましい話なのです。

四段目
この段ではボケ味でも収差でもなく「陰影の表現性」として実写をピックアップしました。被写体の材質感や素材感を写し込む質感表現能力の高さにプラスして、その一方で被写体の背景や周辺部、或いは画の四隅も含めその陰影の変化にどのようなリアル感があるのかをみています。左側2枚の写真では笹の葉に微かに残る陽射しの表現性と共にその背後に写る暗がりへの流れの中でストンと黒潰れせずにギリギリまで頑張っている様を認めてあげています (それでピックアップした)。確かに単なる当時の廉価版モデルですが、十分このようなシ〜ンの表現性でも活躍が期待できるのではないでしょうか (ここでのピックアップ写真はそのような角度からご覧頂くと良いかも知れません)。

また右側2枚はまさに今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼での下手するとフィルター操作による影響が強いのかも知れませんが、それでも決して平坦な白黒写真に堕ちずにやはり頑張っていると思います。

五段目
この段は純粋に「自然に存在する赤色の発色性」をチェックしているピックアップ写真です。これだけ濃厚な色付きであっても「決して色飽和により質感表現を喪失した写真に堕ちない」要素にとても廉価版の烙印に落ち着かないとの期待値が被さっています。すると一番右端の如く色バランスのインパクトもキッチリ狙える素晴らしいオールドレンズではないでしょうか。

六段目
この段も前述の陰影の如く見えそうですが、実はダイナミックレンジをチェックしています。明暗部への広さをみているピックアップなので、例えば左側2枚の暗部は完璧に黒潰れしているものの、その領域に至るまでの境界でどんだけグラデーション的な色表現をちゃんと写し込めているのかを観ています。左端のカーテンの写り込み具合や2枚目の左右の扉の状況などですね。また右側2枚では決して白黒/グレースケールの世界まで至らずに「ちゃんとカラー成分を残せているところ」に注目してピックアップしました。なかなか頑張っていると思います。

七段目
バブルボケ/シャボン玉ボケとそればかり揶揄されまくりですが(笑)、では普通のシ〜ンはどうなのかと言えば、標準レンズでこれだけ人物写真を残せるのはたいしたレベルと思いますし、動物毛の表現性も決して平面的に感じません。詰まるところたった4枚の光学硝子達を透過してきただけの光なのに、このようにちゃんと被写体の材質感や素材感を写し込む質感表現能力の高さをキッチリ確保できている点に於いて、単なる「インスタ映えオールドレンズ」の如く扱わずに、心して普段の写真撮影にも使いまくるのがまた一つの慈しみの表現性にもなると確信しています。

八段目
光源や逆光耐性など、或いはゴーストをチェックする実写としてビクしています。特に3枚目のピ〜カンでの撮影ではこれだけ色バランスを整えたまま残している点に於いて、遠景の山々の霞がかった雰囲気や空の雲のどんよりと曇っている感じが伝わり、それでもなお光量の多さを漂わせている素晴らしい写真だと思います。光に対するグラデーション表現がとても素直なのではないでしょうか。さすがフィルム印画紙のメーカーだけはあります。その非常に薄いフィルム印画紙の中に何階層もの「技術力」を詰め込んで印画紙の違いを明確に示す事が適った製品群は、やがて今の時代になって今度はその技術力の発展系として医療業界/薬事業界にまで応用できている本当に日本に誇る素晴らしい会社だと思います。

このようにたかが当時の廉価版モデルの一つですが、筐体外装のパリパリに割れていくチープ感を排除しただけで「まるで高級モデルのように信頼の光彩を放つ」のがある意味醍醐味の一つで、当方などは毎晩の酒の肴として十分のその職務まで担うべく活躍し尽くしてくれるオールドレンズと認めてあげています(笑) 昼間の撮影でさんざん撮ってきた写真をあ〜だこ〜だ魅入りつつも (見入りつつも) 無意識に距離環を回してグリグリやりながら「指から伝わるそのトルク感の感触」がまた堪らないという、まさに所有欲を充たす・・悦の時間・・だからこそお酒もまた美味しさを増すのです(笑)

・・オールドレンズだからこその背景も踏まえつつ今宵の酔いも深まりますねぇ〜(笑)

そう言えば (また反れますが)、ここのアパートは仕事場を兼務していて工房と呼んでいますが (せめて心の中では格好良く浸りたいから) 小さな間取りにしてもちゃんと「システムキッチン」と契約書に明記されている、いわゆる組み込み型電熱ヒーター式キッチンがあるのですが、実はそのシステムキッチンの壁に「注意書き」のシールが貼ってあって、電熱板ヒーターの周りにタオルなど燃えるモノを置くな・・電熱板ヒーターの上で網焼きするな・・電源スイッチのOFFを忘れるな!・・とあります。

しかしそこに何と3コマ漫画のような書き込みがあって、電源スイッチの指差し確認や燃えるモノを置かないなどには「ビックリして逃げている姿」などが同時に記載されています。

するとそれら3コマ漫画の人物は単に眉毛と目を書き込んだだけで (顔の輪郭すら無い)、指だけが確認の仕草だったり、飛んで逃げていくシ〜ンは両手だけが先に逃げていたり、オドロキのシ〜ンは目ん玉が三角に飛び出ているような「まるで昭和の漫画」だったりします(笑)

見ていてとても懐かしく感じ、しかも昔のロゴそのままに「日立システムキッチン」のボロボロに錆びたプレートが打ち込まれていて、収納扉の内側をチェックすれば「昭和36年製造製造番号x x x x x」などの印刷があり、何ともレトロチック感一杯で楽しかったりします(笑)

・・あぁ〜昔懐かし古き良き時代かな昭和!

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はFUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)』のページをご参照下さいませ。

このモデルを分解して整備している人なら上の写真を見てすぐに分かりますが「同じ前期型でも他の同型モデルに比べて設計が違う」ポイントがあります。

左写真はこのモデル「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」の中にあって、決定的に設計が異なる (同型モデルの初期型後期型全てに対して) 唯一のパーツを撮影して示しています。

当方では「停止板」と呼称していますが、距離環を回した時の駆動範囲を制限する役目の一つとして必須の構成パーツです。

従ってこのパーツが締付ネジで締め付け固定される先は「距離環」ですが、実はその駆動範囲が異なる/制御方法が変わっている事実があるからこそこのパーツが必須に至ります。

当然ながらヘリコイド (オスメス) の駆動に対して「距離環の制御が設計からして異なる」時点で、単に金属製だから「総重量165g 」との捉え方に至らず、最も重要なのは内部の各構成パーツの使い方が違う点であって、それに附随して幾つかの構成パーツに追加があるからこそ製品全体の総重量が増加しています。

するとそれら異なる構成パーツが附加された事でどのように仕上がりの操作性に影響が現れるのかに着目しない限り「単にバラしてグリースを塗ったくって組み戻しただけ」に終わり、今回オーバーホール済でヤフオク! に出品する個体のような「まるで新品のような操作性と筐体外装の質感」なのが当方が当初より「前期型総金属製」設定している「即決価格39,500円」なのであって、あたかも同一の如くヤフオク! とは別の某有名処で売り捌いている同業者『転売屋/転売ヤー』が2人居ますが、全くのボロ儲けで本当に羨ましい限りです(笑)

もっと言うならもしも仮にその出品者の個体と2つ並べて互いの操作性をチェックすればもっと分かり易いのでしょうが、ヘリコイドグリースの相違「白色系グリース黄褐色系グリースの違い」は明白で、一方がツルツルしたトルク感であるのに対し他方は「相応に指に抵抗/負荷/摩擦が残るトルク感」で且つ「ピントのピーク前後でネットリと粘性を微かに感じるピント合わせ」を以て、今までにご落札頂いた数多くのご落札者様より「しっとり感を感じるトルク感が堪らない」とのご評価を頂いているワケで、それを包括しての「即決価格39,500円」が最近は何だかとても悲しい現実に感じています(笑)

・・まぁ〜だからこその引退のタイミングなのだと自ら言い聞かせている処です(笑)

 

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。前述のとおり今回の個体もオーバーホールによって素晴らしい操作性が担保でき「当然ながらその操作性の良さはご落札価格として保証されている」からこそ、当方の出品ページは「常に返品可 (出品ページ掲載内容との相違がある場合)」なのであって、そのような今までの10年間に及ぶ地味な努力としての結果が「即決価格39,500円」と受け取って頂けると、せめてもの慰みになります(涙)・・が然し、所詮当方も同じ穴の狢でそれらどうしようもない輩同様『転売屋/転売ヤー』でしかありません(笑)

・・それが現実と言うモノです(笑)

↑上の写真は今回の個体を完全解体した際に取り外した「マウント部内部の絞り羽根開閉に係る構成パーツの一部」です。当方は基本的に「完全解体在りき」なので、このように過去メンテナンス時の「ごまかしの整備」まで逐一露わにしつつも(笑)、逆に当方がそれらごまかした内容を正している始末で、何ともヤッている内容が本末転倒ではないかといつもながら心の中が葛藤で燃えたぎっています(涙)

左端の「制御爪 (赤色文字)」は絞り環を見るとローレット (滑り止め) のジャギーの途中に「2箇所丸い金属棒が刺さっているのが分かる」場所がありますが、そこに専用の締付ネジで締め付け固定される「コの字型の爪」で、その爪がガッチリ一時も離さずに掴んでいるのが「鏡筒内部にセットされている絞りユニットから飛び出ている制御アーム (金属棒)」であり、要は絞り環の設定絞り値を絞りユニットまで伝達する役目を担っています。

すると左端のその「制御爪 (赤色文字)」に附随させてグリーンのラインを垂直状に示しましたが、この爪の両サイドをオーバーホールしている最中によ〜く観察すると「ペンチでムリヤリ曲げて向きを変形させた痕跡」が視認できます(笑)

ご覧のように相当な角度でグニャッと曲がっていますが、このパーツが先ずは一つ目の「ごまかしの整備の証拠」です。

この爪が絞り環に締め付け固定されている以上、その角度が何を意味するのかと言えば「絞り羽根の開閉度合い」なので、ここから見えてくるのは「既に過去メンテナンス時点で絞り羽根の開閉異常が起きていた」のが判明します。

実際にこのまま今回のオーバーホール工程の中でも絞り環にセットして絞り羽根の開閉動作をやってみれば「開放時に絞り羽根が顔出ししていたのか最小絞り値まで閉じる時に停止していたのか」がより明確にその症状として掴めます。

・・が然し、当方はもぅ既に何十本も似たような「ごまかしの整備」の個体を捌いてきているので、この向きを見ただけで「実際に過去メンテナンス時の整備者がどのくらいの量で絞り羽根の開閉角度を変えたかったのか?」まで知ってしまいます(笑)

実際にこのような処置を講じて絞り羽根の開閉に際し「ムリにチカラを及ぼして強制的に絞り羽根を開かせたのか閉じさせたのか」になりますが、実はそのように期待して処置したにもかかわらず、今度はマウント面から飛び出ている「絞り連動ピンの操作」で絞り羽根の挙動がまるで正反対に動いてしまいます(笑)

・・このように明言しているのは当方が「原理原則」を熟知しているからで、前述の爪の向きを強制的にイジったら、その結果何処にどのような影響が及ぶのかを「その処置を執る前に頭ン中で考えただけですぐに判るから」と指摘できます(笑) だからそんな検証などせずともすぐにこの爪が「右方向に傾いているのか左方向なのか?」でピタリと組み上がった時の症状を120%の勢いで的中できます。

従って過去メンテナンス時の整備者は仕方ないのでさらに次の手段として「中央の捻りバネのチカラを強制的にペンチで曲げて強くした」のが真ん中の捻りバネでグリーンの矢印で指し示している箇所の「曲がり」です(笑)

これもちゃんと左右どちらの飛び出しをどのくらい変形させたのかで絞り羽根の開閉動作に係る結果が変化しますから、個体別に逐一バレバレになります(笑)

・・唯一一番右端の捻りバネだけは難を逃れられたようですね(笑)

もちろんその理由も判っていて、これら2種類の捻りバネは互いに「絞り羽根を常時閉じようとするチカラ」と合わせて「常時開こうとするチカラ」と言う相反するチカラバランスの中で「正しい絞り羽根開閉動作が担保される」設計/道理であって、それを覆す事は適いません。

詰まるところきっと過去メンテナンス時の整備者は「製産されてから何十年も経っているからこのような不具合が現れるのは仕方ない」とでも顧客に説明して、如何にも自らの処置が「ユーザーサイドに立った処置をちゃんと施しているのだ」とまるでプロ顔のまま意気揚々と述べるのでしょうが・・違います!(笑)

ここまで解説してきた過去メンテナンス時の整備者の手による「強制的に変形させた因果関係」がちゃんと存在していて、実はその該当する整備者自身が「マウント部内部のパーツの使い方を理解できていない」ので、その結果絞り羽根の開閉異常が発症してしまい最終的にこのような処置を講じて顧客に渡しています(笑)

・・まるで自分の作業が拙かった事をこの整備者は全く気づいていません!

しかもこのような「ごまかしの整備」が施された個体の数が相当数現れるとなると (何故なら全て同じ手法で絞り羽根の開閉動作を強制的にイジッているから)、それなりに過去10年前後の範疇でこれらFUJINON製オールドレンズの整備をこなしてきている「プロの整備会社」だと言うのが容易に推察できます。

しかもたいていの場合で必ずヘリコイド (オスメス) には「白色系グリース」がビッチリ塗布されているので、少なくとも10年以上前とも考えられません (当方が今のオーバーホールを始めた頃はまだ黄褐色系グリースや潤滑剤しか塗られていない時代だったから)。

するとどんな事が見えてくるのかと言えば「下手すると今も相変わらず同じことをヤリ続けているのかも知れない」との憶測に至り、どうりでいつまで経ってもちゃんとした個体に巡り逢えないのだとミョ〜な納得感があったりします(笑)

もちろんこれらの変形によってどのように改善を期待できるのか知っている整備者なので、決してド素人の作業ではありません(笑) それでも「整備会社」を謳い、日々数多くのオールドレンズを処置しているのでしょうからプロの仕事と言うのは本当に美味しいのだと羨ましい限りです(涙) 当方などは必死な想いでチマチマと作業しつつも稼げる金額は1カ月のレベルで捉えれば何とか生活していけるかどうかのレベルで、本当に恥ずかしいばかりです(汗)

まさにそれこそがリアルであって、SNSで誹謗中傷されるがままに「プロになれなかったド素人崩れの何処のウマの骨か分からない低い技術スキルの整備者」とのご評価がまるで的中してしまっている感じです(涙)

ちなみに今回のこの個体は前述の「ごまかしの整備」がおそらくは10年以内の範疇で処置された後、直近のタイミングで「潤滑油」を注入されてしまい (おそらく数年内)、当方の手元に届いた時点では「ヘリコイドがほぼ固着状態で両手で雑巾絞りのように掴んだ状態で回してようやくどうにか動くレベル」だったので、今までに数多くのオールドレンズで似たような現象を経験していますが『白色系グリース潤滑油』の組み合わせは絶対に禁止行為です!!!

まず間違いなく1年〜数年内に潤滑剤の成分が飛んでしまい、どのような原理で互いが化学反応するのか不明ですが「100%確実に極度の粘性を帯びて固着し最後はネジ山の齧り付きで製品寿命を迎えます」事を、何度でも執拗にこのブログでこれからもご案内していきます。

逆に言うなら「過去に製産時点に使われていたであろう黄褐色系グリースに潤滑油が注入されてもこのような化学反応が起きない」ので、明確に昨今の「白色系グリース」による問題が起きていると指摘でき、どうしてそのようなヘリコイドグリースを平気で使うのか本当に不思議です。

もっと言うなら、公然とあたかもイッパシの整備者の如くネット上やヤフオク! などでも「白色系グリースの♯番と敢えて告知しながら塗布している」自ら整備する出品者が出品していたりするので、はたしてその個体は10年後を迎えられるのか・・甚だ疑念が残ります(笑)

・・自分がヤッている事を本当に自覚できているのでしょうか???(笑)

それでいてヤフオク! 以外の某有名処でも平気で謳っていますが(笑)、如何にも整備する事で操作性が向上するが如くメリットとして紹介していますが、その塗布した「白色系グリース」の揮発油成分はいったいどのくらいの時間で滲み出てくるのでしょうか?(汗)

当方が使う「黄褐色系グリース」の経年状況は、取り敢えず再びヤフオク! に出品された個体を発見したタイミングで自ら落札して手に入れ、再度完全解体して「塗布したヘリコイドグリース:黄褐色系グリースの経年劣化状況を確認」しているので既に把握しています。

現状7年前までの整備した個体について塗布していた「黄褐色系グリース」の経年劣化を検証済で、取り敢えず揮発油成分の滲み出しが始まっているものの、そのレベルは「明確に白色系グリースとの比にならないレベル」と指摘できます (絞り羽根の油染みに至るレベルには到底劣化が及んでいない)。

もっと具体的に告知するなら、当方が塗布している「黄褐色系グリース」が経年劣化によりその揮発油成分が滲み出すのは凡そ6年が目安とまでちゃんと自ら整備した個体を回収して確認できています。潤滑剤の製造メーカーの話では「凡そ5年から始まる」と説明を受けているタイプを使っていますが、現実にリアルに自ら整備した個体の経年状況は5年の個体は全く問題なく、6年経過した個体からようやくオールドレンズ内部に経年劣化に伴う揮発油成分の存在を確認しています (6年経過だと極僅かにヘリコイドに滲みが視認)。そしてそのレベルは7年経過後の個体でも同様のレベルなので今現在の課題は「8年経過の個体入手」ですが、今のところまだ実現できていません。

ちなみに電子検査機械でちゃんと計測して検査すれば厳密には製造後数ヶ月の時点からグリースの揮発油成分の分離が始まっているらしいですが、それが具体的に「滲み出しとして流出を始める」のは当方が使う「黄褐色系グリース」のタイプとしては5年と聞いている次第です。

・・いったいどれだけの整備者がそのような検証まで執っているのでしょうか?(笑)

プロのカメラ店様や修理専門会社様」が整備した個体は、その塗布したヘリコイドグリースの耐用年数を検証できているのか・・何故自身のホームページでちゃんと明示しないのでしょうか???

いつも不思議に思います。ヘリコイドグリースなど潤滑剤の会社にしてみれば如何様にでも成分や配合に添加物を変更できるので、数多く存在するグリース製品の種別に対してそれを使用する整備会社、ひいて言うなら整備者はその耐用年数の検証を「自信を以て告知すれば良いではないか」と常々不思議に思いますね。

自ら整備者として臨むなら、せめて自分が施す整備に見合う「グリースの特性」をちゃんと探求して適切なグリースを入手したらどうなのかと思いますョ(笑) それをサクッと市場流通している「白色系グリースの♯10〜♯30」などを使って済ませているのだから、堪ったものではありません(笑)

・・そもそもそれを整備者の端くれとして恥ずかしいと思わないからマジッで不思議です(笑)

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体ですが、残念ながら特に後玉露出面側に経年並の非常に薄いクモリがほぼ全域に渡って残っています。従ってLED光照射すると確実に視認できます (逆に言うと裸眼では視認できない)。

但しそうは言っても相当薄いレベルなのでこのブログページの最後に掲載したオーバーホール後の各絞り値での実写をご確認頂ければ分かりますが、普段の撮影ではまずその影響を掴む事は相当難しいでしょう。

唯一影響を感じるとすれば「光源を含む場合の撮影や逆光撮影時に少々フレアの量が多めかしら?」との判定に至ると推測できますが、それも例えば「普段から結構ハイキ〜に撮っている人」だと全く分からないかも知れません(笑)

まぁ〜使い方次第と言ったところですし、もっと言えば画像加工アプリでどうにでも自然な範疇のままに仕上げられてしまう程度のレベルです。しかし正直者な当方にとっては「薄いクモリなし」とは決して述べられないので「コレ、曇ってますョ〜ぉ」と言うお話です(笑)

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

ご覧のとおり角度を変えつつ拡大撮影しても前玉の状態はまるでキレイな印象を持ちますが、実際は「パッと見で塵/」に見えてしまう極微細な点キズが多めに残っています。

↑同様後群側も内部はスカッとクリアですが、如何せん本当に残念ですが後玉の表面にLED光照射で初めて視認できる「極薄いクモリ」がほぼ全域に渡り残っています。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

前述の前群同様にこの写真だけ見てしまうとまるでキレイですが(笑)、現実は薄らとした極薄いクモリがLED光照射で視認できます。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(前後玉に微かな点状カビ除去痕が複数あり)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内に極微細な薄い最大4mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
(前後玉に点状カビ除去痕複数残っています)
(前後玉に極微細な経年の拭きキズ数箇所あり)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):あり
(後玉表面に極薄いクモリがほぼ全域にあり)
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
光源含むシーンや逆光撮影時にフレアの出現率が上がる懸念がありコントラスト低下の一因になる事があります。事前告知済なのでクレーム対象としません
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環操作共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じていく際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が指に伝わります(擦れ感強め)。
・恐れ入りますが切削が必要な場合はご落札者ご自身で作業お願い申し上げます (当方では切削しません)。
・マウント部内部の捻りバネの経年劣化進行に伴い僅かに弱っている為鏡筒から飛び出ているアームを掴んでいる爪が擦れて「カリカリ音」が聞こえてくる事があります(特にマウントアダプタに装着すると聞こえてきます)。捻りバネの経年劣化が原因なのでこれ以上改善できません。また当問題で将来的に不具合を起こす因果関係に至ることはありません。
・K&F CONCEPT製マウントアダプタに装着すれば「開放測光用の爪」干渉は起きません。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

総じて距離環を回すトルク感はとても軽いながらも肝心なピント合わせ時には相応に抵抗/負荷/摩擦を指が感じつつ気持ち良くピント合わせに集中できる (つまりトルク感に違和感を感じない) 仕上がりに至っています。

また絞り環操作は確実に各絞り値でクリック感を伴いつつ操作できるよう微調整済ですし、当然ながら各絞り値の絞り羽根開閉幅 (開口部の大きさ/カタチ/入射光量) も簡易検査具で検査済と共に微調整済です。合わせてマウント面から飛び出ている絞り連動ピンの押し込み動作でもシャコンと瞬時に絞り羽根が設定絞り値まで確実に閉じるので、その動作で一時遊べてしまうほどです(笑)

↑上の写真解説のとおり「開放測光用の爪」がマウント面から飛び出ています (グリーンの矢印)。当時のFUJICA製フィルムカメラ「ST-801/901/AZ/1」などに装着すると開放測光機能がご使用頂けます。

もしもマウントアダプタ (ピン押し底面タイプ) 経由デジカメ一眼/ミラーレス一眼に装着される場合は、ご使用になられるマウントアダプタによってはマウント面の「開放測光用の爪」が当たって擦れるので/最後までネジ込めないので切削する必要があります

申し訳御座いませんが切削にはご落札者様自身で行って下さいませ (当方では切削しません)。

またK&F CONCEPT製のマウントアダプタをご使用頂ければ/手に入れればこの「開放測光用の爪」を回避するので干渉せずに正常使用が可能ですからご検討下さいませ。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
marumi製MC-Nフィルター (新品)
本体『FUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離60cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影していますが、実際の絞り環刻印は単なるドット「●」だけです (f2.8刻印が無い)。

↑さらに回してf値「f4」で撮影しています。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。極僅かですが「回折現象」の影響で解像度の低下が現れ始めています。なお前述の光学系後群後玉のLED光照射で視認できるほぼ全域に渡る極薄いクモリの影響はこの実写をチェックしてもまるで分かりません。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

ハレーション
光源からの強い入射光が光学系内に直接透過し画の一部分がボヤけて透けているような結像に至る事を指す

フレア
光源からの強い入射光が光学系内で反射し乱反射に至り画の一部や画全体のコントラストが 全体的に低下し「霧の中での撮影」のように一枚ベールがかったような写り方を指す