〓 Schneider-Kreuznach (シュナイダー・クロイツナッハ) Xenon 50mm/f2 ▽《後期型》(exakta)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツの
Schneider-Kreuznach製標準レンズ・・・・、
Xenon 50mm/f2 《後期型》(exakta)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Украине!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

当方が一番大好きなオールドレンズ10本の中に入っているモデルの一つですが当方での扱いは10年間の累計で今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体が僅か8本目です。

さらに残念な事に年々市場流通数が目に見えて減ってきており、特に海外オークションebayの出現率は年に3〜4本レベルです。もっと適確に伝えるならそれら年間で出現する3〜4本のうち実は2本は既に3〜4年前からず〜ッと海外オークションebayで流れ続けています。

おそらく4年前から出品され続けている1本はおそらく「初期型」ですがノンコーティングの時代の製産品で既に光学系のクモリが酷くとても清掃でどうにかなるレベルではありません。さらにもう1本は「後期型」ですが光学系には経年並みのキズがあるもののそれよりも致命的なのは「絞り羽根が1枚外れている (おそらくキー脱落)」のでこれも直しようがありません。
(絞ると必ず顔を出してくるからボケが変形して写ってしまう)

すると今回調達した個体がまさに3本目の出現でしたがほほ毎週必ずチェックしているので、発見次第すかさずゲットしました!(祝) アメリカはミズーリ州のカンザスシティから遙々
届いた次第です。

そもそもこのモデルを探すと海外オークションebayで多く流れているのは同じSchneider-Kreuznach製の同一モデル銘としても「Retina-Xenon」ばかりです。本当に希ですがレンジファインダーカメラの「Akarette (アカレッテ)」版と一眼レフ (フィルム) カメラとしても黎明期の「Prakiflex (プラクチフレックス)」向け「M40マウント規格」だったりするので⌀40mm径のマウントをどうにかしない限り使いモノになりません(涙)

その一方で例えば戦時中のドイツでの状況を探ると、例えば軍用としてはドイツ陸軍向けに「Leica」が供給されドイツ海軍向けに「EXAKTA」そしてドイツ空軍向けには「RoBoT」とそれぞれ光学メーカー別に支給されていたので当然ながら「EXAKTA」版なら数多く出回っていそうな気がするのですがどう言うワケか市場の出現率が極端に少ないのです。

今回が累計で8本目の扱いとしてもその中でオーバーホール/修理分で受け付けたのが3本あるので、実質的に海外オークションebayから調達できたのは10年間で僅か5本になります。

そして一番のネックは光学系の状態がおそらく既に限界に到達しておりコーティング層の経年劣化に伴うクモリや下手するとバルサム切れの個体も多く単純に市場で発見できたからと手を出すには相当なリスクを伴います。

バルサム切れ
貼り合わせレンズの接着剤/バルサムが経年劣化で剥離し始めて白濁化し薄いクモリ、或いは 反射が生じている状態

貼り合わせレンズ
2枚〜複数枚の光学硝子レンズを接着剤/バルサム剤を使って貼り合わせて一つにしたレンズ群を指す

すると来年の夏に引退し撤退するまでの「残り1年間」という時間を考えるとおそらく今回 扱う個体が最後になる可能性が非常に高いと言わざるを得ません(涙)

その意味で今回のオーバーホール作業は十分に味わいつつ楽しみつつ本当に納得いくまで各部位の微調整を突き詰めて執り行い満足いく仕上がりで出品できるのが本当に嬉しい限りです。

今回も正直なところこのモデルの最大の難関である「光路長確保」の微調整がやはり大変で、丸っと3時間を要しましたが本当に鋭いピント面に至り、且つそのピントの山が「アッと言う間にスパン!と合焦する」のが本当に気持ち良くて堪りません!(笑) そのピントが合う瞬間だけをまるで楽しんでいるが如く、合わせてその時の距離環のトルク感の感触と共に本当に「悦に浸るひととき」が堪りません・・(涙)

・・オールドレンズをイジっていて本当に幸せだなぁ〜と感慨深くなる瞬間です!(笑)

今回の個体も前回や今までと同様でしたが、やはり過去メンテナンス時に塗布されていた「反射防止用黒色塗料」のインク成分が光学硝子面に化学反応してしまいコーティング層に非常に頑固にこびり付いていました。かと言って下手にゴシゴシやってしまうと一部の群の光学硝子レンズは柔らかいので却ってキズだらけにしてしまいます(怖)

そんなワケで限りなく全群に渡ってクモリが薄らと生じていた状況が一変し「これでもかとスカッとクリア」になり最後に相応しい仕上がりになりました(涙)

・・もしもお探しの方は是非ご検討下さいませ。

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はXenon 50mm/f2 《後期型》(exakta)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。このモデルの実写をまさに如実に表現しきって頂ける素晴らしい方がいらしてInstagramの“picmaru_photo”ページを是非ご覧になって下さい。

まるで当方の琴線に触れまくりの素晴らしい写真をたくさんアップしてくれています!(涙)

カチッとキワドイくらいに鋭く出てくるピント面は実はそんなに鋭くないのですが(笑)、ところがアウトフォーカス部の滲み方がとにかく柔らかいのでそのグラデーション効果が功を奏して余計にピント面が鋭く見えてしまいます。従ってこの時代の後に登場したもっと鋭いピント面のオールドレンズと比べて「不思議な繊細感と柔らかさを漂わせつつも鋭さもちゃんと魅せつけてくれる」何とも光学性能や操作性などが裏打ちしているとは微塵も考えられないくらいの特異な描写性に惚れ込んでいます(涙)

今回の個体は製造番号からやはり前回同様「1951年夏の製産」個体と推察でき本当によくも71年間このような光学系の状態を維持し続けてきたのだと感無量みたいな感じです!(涙)

そんなワケで当方にとっては同じSchneider-Kreuznach製標準レンズとしても一般的に市場で人気が高い「Xenon 50mm/f1.9シリーズ」の端正で然しそれでいてどこかスッキリ感の強い描写性とは対極的なポジショニングと認識しており、暗部はともかく明部のグラデーションのダイナミックレンジは相当広く、且つ「不思議なリアルな雰囲気を留めてくれるまるで魔術のような写り方」に惚れ惚れしているので、ハッキリ言って開放f値「f1.9モデル」は当方の目にはフツ〜にしか写らずほとんど触手が伸びません(笑)

是非とも来年の夏までにできたらもう1本手掛けたいですが、ほぼ年間に1本なのでなかなかですね(涙)

↑さすがに拡大撮影でもこのように写ってしまうので特に前玉の状況が掴めずに調達するしかありませんでしたが、残念ながら前玉表面のコーティング層は経年劣化進行に伴い非常に微細なクラックが無数に起きていてLED光照射して透過すると「コーティング層に微細な点状が広がっている状態」を視認できます。

これは決して汚れではなく「あくまでもコーティング層のクラック/亀裂」なのでどのように拡大撮影してもそれらを順光目視で視認する事は適いません。当然ながらほとんどの撮影シ〜ンに於いて全く影響を来しませんが入射する光の角度によっては光源や逆光撮影時など極僅かにフレアの出現率が上がる程度の話です。

それよりもとにかく光学系内の透明度は相当高い状態を維持していてLED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。

ヤフオク! の一部出品者やネット上のサイトを観ていても「LED光照射で撮影した光学系内の状況写真」をあたかもユーザーーサイドに立った配慮なのだと解説している人達が居ますが、実は当方の持論は全く以てその正反対です(笑)

仮に当方がそれらLED光照射の環境下で撮影された光学系内の状況写真を観ても必ずしも確実に伝わったのかと問われると80%くらいと言うしかありません。

その最大の理由が「光学系内のどの群の表裏いずれの面に残っているキズや汚れ/クモリなのか確定できるか否か」が一番重要だからです。

どの群の表裏面のどちらに残っている状況なのかが不明では「現実的な写真にどのように影響するのか?」を推測できません。

逆に言うなら申し訳ありませんが大多数の方々にはそれを確定できるスキルが無いと申し上げるしかありません(涙)

当方のように光学系を完全解体して様々なオールドレンズで場数を踏んでいる体験者でない限り「どの群の表裏面のいずれに何があれば実写にどのような影響を来すか?!」を知り得ていない限り「光学系内のLED光照射写真はむしろ誤解を招くだけで何の有意義な要素すらない」と敢えて指摘できます(笑)

従って下手に (安直に) あたかも落札者への配慮の如くLED光照射した光学系内の写真を載せてもはたしていったいどれだけの人達に正しく状況が伝わっているのか非常に疑わしい話です(笑)

もっと言うならはたしてどれだけの人達がそのLED光照射した光学系内の状況をチェックして「これはカビ、こっちはキズ、そっちはコーティング層の経年劣化」と判定できるのかと逆に問い正したいですね(笑)

光学系内に繁殖してしまったカビでさえカビ除去痕が残る場合もあればキレイサッパリ除去が適う場合もあります。

そういう判定スキルが無いままにLED光照射の写真を載せる事はむしろ必要ない前提を与えているに過ぎず、はたして真にユーザーサイドに立った考えなのかとむしろ問い詰めたくなりますね(笑)

そんな配慮をするならまずは出品者自身が光学系内の状況を逐一指摘して本当に実写に影響を来さないのかどうか、ちゃんと明言するべきであり「LED光照射した写真を見せつけておいて落札者が自分で判断しろ!」などと言うのはむしろ本末転倒な話の何物でもありません!
(何故なら落札者はその個体を使った経験が皆無だから判断しようがない/出品者が告知すべき要素の話)

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑後群側も貼り合わせレンズがあるのでそろそろバルサム切れが心配なのに「とんでもなくスカッとクリア」です。当然ながらLED光照射で極薄いクモリが皆無です。

残念ながら後玉が2㍉ほど突出するので距離環を無限遠位置「∞」のまま下置きすると上の写真のように「後玉中央に当てキズを付けてしまう」ので必ず留意が必要です。

できるだけ距離環は最短撮影距離方向側に回しておく「癖」をこのモデルに関しては留意願います!

現状残っている後玉中央の当てキズはまだ浅いキズなのでおそらく玉ボケなどの内側にも影が入らないレベルだと思います。これ以上本格的な当てキズを付けてしまうと明確に視認できるようになってしまうかも知れません。

残り30年を目指していよいよトータル100年を目指して頂きたく願いを込めて出品致します!

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(前玉表面に微かなカビ除去痕複数あり)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(特に前群内に極微細な薄い6mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:あり
(後玉中央に目立つ当てキズ1箇所あり)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内には大小の「気泡」が複数あり、一部は一見すると極微細な塵/埃に見えますが「気泡」です(当時気泡は正常品として出荷されていた為クレーム対象としません)。「気泡」も点キズにカウントしているので本当の点キズは僅かしかありません
・前玉を光に反射させて覗き込むと表面側のコーティング層に経年並みの微細なコーティングのハガレが視認できパッと見で汚れに見えますがこれはコーティング層なので写真には影響しません。但し光源含むシ〜ンや逆光撮影時には多少フレア出現率が僅かに上がる懸念が残るのでご留意下さいませ(ほぼ視認不可)。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑15枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に円形絞りを維持」したまま閉じていきます。絞り環の操作性は本来溶剤などで洗浄した後は操作感がスカスカになってしまうので敢えてグリースでトルクを与えてワザと故意に多少抵抗/負荷/摩擦を感じるように仕上げてあります (つまりスカスカ感の印象にならないよう配慮しているだけの話)。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡りほぼ均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります
・内部パーツの経年劣化に伴う摩耗が影響し距離環を回した時やピント合わせ時に極僅かに指に抵抗感を感じる事がありますが原因は摩耗したパーツが擦り減った為でヘリコイドグリース溜まりによより再現性が一定しません(感じない事もある)。事前告知済なのでクレーム対象としません。
・附属のmarumi製UVフィルター(新品)は指掛かりがほぼ無いので一度締め付けて装着するとまず指で外す事ができません。できればキッチリ最後まで締め付けずに僅かに手前でネジ込みをやめたほうが着脱できるようになると思います。また外す際は途中からフィルターを指で僅かに引っ張り上げるように持ち上げるつもりで外していくと最後まで外せます。これはレンズ側が真鍮(黄鋼)製に対しフィルターが少々軟らかめなアルミ合金材なのが影響しています(ネジ切り精度もフィルターのほうが高いので影響しています)。事前に対処方法を告知済なのでクレーム対象としません。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
marumi製UVフィルター (新品)
本体『Xenon 50mm/f2 《後期型》(exakta)』
汎用樹脂製バヨネット式exakta後キャップ (新品)
※但し後キャップは新品ですが3Dプリンタ精製品のようです。

距離環を回すトルク感は基本的に「軽め」に仕上げたので「スパッと急に鋭く合焦するピント面」の前後微動で操作し易いよう配慮しています。但し内部構成パーツの一部が既に経年摩耗している分「ヘリコイドグリース溜まり」の影響から再現性が低いですが時々重くなる場合があります。何度か前後動させているとまた戻ったりします。

一度擦り減ってしまった金属を元に戻すのは不可能なのでそのまま組み上げています (事前告知済なのでクレーム対象としません)。

一応その意味で「距離環のトルクはほぼ全域で均一」として明記しましたが基本的に全域で均一なトルク感です。

さらに附属のフィルターは指掛かりが無いので一度キッチリ締め付けると外せなくなります。最後までキッチリ締め付けなければ外れると思いますが、もしも重く感じたら少し持ち上げる感覚で掴んで回していくと外れます。これは相手が真鍮 (黄鋼) 製なのでアルミ合金材のフィルター側ネジ山精度が高く却って逆効果になっている現象です (製品仕様なのでどうにもならない)。

前述のとおり後玉に当てキズを付けやすいので無限遠位置「∞」にしたまま置いたりしないようお気をつけ下さいませ。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑上の写真では絞り環の停止位置を説明しています。開放状態で絞り環を回しきった時は赤色矢印のように「開放f値f2よりだいぶ先で停止する」仕様です (設計上そうなっています)。但し前回扱った同じ「後期型」とは停止位置が少々異なります (実際一部パーツの仕様が違うのでまた別バージョンなのかも知れませんが詳細は扱い本数が少なすぎて不明です)。

↑実際開放f値「f2」に回していくとようやく絞り羽根が顔出ししてきて上の写真の「f2」の時に相応に絞り羽根が出てきていますがその時が「f2」の設定です (赤色矢印)。

逆に指摘するなら完全開放状態 (一つ前の写真の時) でも光学系内に迫り出している格納筒の縁が出ているので「単に絞り羽根がその位置まで飛び出てきているかいないかの違いしかない」ワケで、結果的に一つ前の写真状態でも結局「f2」のままです。

↑一方最小絞り値側「f16」はピタリと合います (赤色矢印)。これは必要以上に絞り羽根を閉じないよう設計変更して内部パーツの仕様が変わっているのでこのまま組み上げるしか手がありません。逆に指摘するならこれ以上絞り羽根を閉じるとおそらく絞り羽根が膨れあがります。

↑少々大袈裟に撮影していますが距離環が無限遠位置「∞」の時 (赤色矢印)、後玉はご覧のように「約2㍉分突出」している (グリーンの矢印) のでご留意下さいませ。

無限遠位置のまま下置きするとアッと言う間に当てキズが付きます!(怖)

↑当レンズによる最短撮影距離75cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」です。そろそろ「回折現象」の影響が現れ始めており極僅かですが解像度の低下が起きています。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。