〓 Meyer-Optik Görlitz (マイヤーオプテイック・ゲルリッツ) Primoplan 58mm/f1.9 V《前期型−I》(M42)
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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません
今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧東ドイツは
Meyer-Optik Görlitz製標準レンズ・・・・、
『Primoplan 58nn/f1.9 V《前期型−I》(M42)』です。
このモデルの扱いは今回が累計で20本目にあたり、その中で「前期型−I〜前期型−II」は8本で今回が「前期型−I」になりその8本目です。基本的に「戦前型」というモデルが存在しますが真鍮 (黄銅) 製だったのが戦後にアルミ合金材に置き換えられて再設計されたモデルなので、基本仕様や実装光学系などは同じままです。
戦前からMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズは特に大判/中判でCarl Zeiss Jenaに肩を並べるポジショニングまで到達しますが、残念ながら一眼レフ (フィルム) カメラ向けのオールドレンズはそこまで 高い評価を得ていなかったようです。
同じく旧東ドイツのIhagee Dresdenから発売される一眼レフ (フィルム) カメラ「Kine EXAKTA」シリーズのセット用レンズとしても供給されますが、戦時中は「ドイツ海軍向け」配給だったことから、特に潜水艦Uボートの生還率の悪さも手伝い軍への配給品で戦後残っていた個体数は極端に少なかったようです。
ちなみにドイツ陸軍にライカが供給され空軍にはRoBoTカメラが中心でした。
↑上の図は今でもネット上の様々なサイトで掲載し解説し続けられている「Primoplan 5.8cm
/f1.9」の特許申請時点書類と説明されており、申請日も1936年6月17日午前中に申請されたものとしてちゃんと記載があります。
特にこの特許書類に記載されている光学系構成図が「Primoplan型構成図」そのものを指し、さらに「Primoplan 5.8cm/f.9」の構成図であるが如く真しやかに語られ続けていますが、コレ・・全く違います!!!
某有名処でそのように今も解説され続けているので、当方の意見のほうがウソ呼ばわりなのですが(笑)、まぁ〜それも信用/信頼が無い当方なので致し方ありません(笑)
この特許書類のドイツ語を翻訳すると「4群の明るい硝子レンズを使い、且つ第2群は凹メニスカスと凸メニスカス接着によるダブレットを介在させる事でザイデルの諸収差改善を狙う」とあります。
そしてその直ぐ下に「example、Focal ratio: 1:1.5、Focal length:100mm、Free opening:66.7mm」とラテン語/英語翻訳できてしまいますが、何と焦点距離:100mmの場合の光学設計を代表例として載せているだけなのです (間違いなく例だと明記されている)。
つまりは「Primoplan 5.8cm/f1.9」の光学設計の特許ではないのです。この特許書類の何処にも「Primoplan銘」も「焦点距離:58mm」そして明るさを示す「開放f値:f1.9」も記載が存在しないのです。
従来の4群4枚エルノスター型構成からの相違点に関する光学系設計概念の特許登録だと考えられます。
確かにドイツ語ですが、さすがに中腹に「100mm」との記載があるのは誰が見ても分かります。従ってこの構成図面を以てして「Primoplan 5.8cm/f1.9」との関係性を強調した解説と言うのは、ちょっと酷すぎるのではないでしょうか。
かく言う当方も今までそう信じてやまなかったのが悪いのですが、ちゃんとドイツ語を翻訳すれば明白だったのです (反省しています)。
従って右の構成図は前述の特許申請図面からトレースした構成図ですが、この構成図は「Primoplan 58cm/f1.9」とは一切関係がありません (単に例として掲載されていた100mm/f1.5です)。
そもそもこのような疑念を抱いたのは、光学系第4群が異常に厚みをもたせているからです。いくらバックフォーカスが必要な標準レンズ域のモデルだとしても、どうしてここまで第4群の厚みが必要だったのか納得できなかったのです (それで面倒くさいが念の為に翻訳してみた)。
なので如何にも「Primoplan 5.8cm/f1.9」の初期型として解説に使うのは下手すれば詐欺的な内容なのでやめて下さいませ。
正しくは今回のオーバーホールの際に完全解体して光学系の清掃時に各群を1枚ずつ当方の手でデジタルノギスを使って計測してトレースした図が右構成図になり、まさしく「Primoplan 58mm/f1.9 V 《前期型−I》」です。
仕様上は「戦前型」と変わっていませんが、まだ「戦前型」を具体的にバラした経験が無いので何とも確かな事は申し上げられません。
特にこの当時のMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズの中でおそらく標準レンズ域のモデルで「立体的な表現性まで備えた数少ないモデルの一つ」と評価しており、逆に言うなら他のモデルはなかなか平面的でノッペリした印象が強く距離感や立体感まで伴う写真を残すのがどちらかと言うと苦手なように見えます。
敢えて言うならその要素がまさに当時のCarl Zeiss Jena製オールドレンズとの評価の差として当時から議論されていたのではないかと考えられます (あくまでも白黒写真でのお話し)。
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なお、今現在もヤフオク! に同型モデルが (もちろん別出品者により) 出品され続けていますが「光学系にキズ」と記載しつつも掲載写真をチェックすると「キズではなく第2群貼り合わせレンズの1枚目外周に直線的に入ってしまったヒビ割れ」です!
期待価格で落札されないことを避ける為に「敢えてキズと記載している」ようですが、これはキズではなく「割れ!」ですから、撮影シ〜ンによっては入射光の屈折で「明確に写真に現れる/写る」懸念があります。特にMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズの魅力たる「シャボン玉ボケ」表出時に「線状に写ってしまう」懸念が高いのではないでしょうか (何故なら単なるキズなら屈折に影響しないが割れは影響するから/屈折を遮断するから)。
ちなみにこのような「割れ!」が貼り合わせレンズの1枚目に起きる理由は、物理的に独立した2枚の硝子レンズをいくら接着したからと言っても、光学系内の「気圧差」が影響してそれだけで破断していくことはまず考えられません。
その理由は貼り合わせレンズである以上、上下方向 (前玉側方向と後玉側方向の表裏面側) で 物理的に2枚の独立した光学硝子レンズが接着剤 (バルサム剤) によって接着されています。 するとこの時「上下方向/表裏面で厳密に密閉状態に置かれている状況」でない限り「互いの面で具体的に異なる気圧差が生じない」と断言できます。
ここで重要なポイントは「非常に多くの人が勘違い/思い込みしている現実」が顕在しますが、光学系内が厳密に「密閉状態にあると信じてやまない人達」の存在です(笑) 残念ながら一般的な光学系の設計では光学系内を厳密に密閉状態に置いている設計を採ったオールドレンズはほぼ皆無に近いです (近いと言うのはゼロではないから)。逆に言うなら「どんなに締付環で キッチリ締め付け固定しても密閉には絶対至らない」し、そのような密閉状況を謳っている オールドレンズも当時から現在に至るまで存在しません。もっと言うなら今ドキのデジタルなレンズで採用される防塵防滴シーリング設計でさえ「完全密閉状態とは決して謳わない/そんな設計をしていない」ワケで、それこそいわゆる水中カメラのレンズでようやくそのような設計が考慮されるレベルの話しです (そもそも密閉状態と言うなら、ではどうしてカビが発生するのか?/その胞子はいったい何処から来たのか?)(笑)。
従ってこれら当時のオールドレンズに於いて、光学系内の一部の群で「気圧差が生じる」現象は決して皆無とは言えませんが、その生じた気圧差は「すぐに現場の気圧に戻ってしまう」と言えます。例えば当時のOLYMPUS製オールドレンズの「F2モデル」に多く採用されていた「昇降式格納筒」の場合は、鏡面仕上げで設計された「内外筒」が密着した状況の中、水平方向と垂直方向の両方から制御される為「瞬時に瞬間的な気圧差が生じる」と考えられます。しかし現実的に/物理的に制御環と連結している箇所がスカスカなので (つまり完全密閉状態にない) 例えばポリ製キャップの影響で「瞬間的な気圧差」が起きるのは実際に完全解体して、しかもその昇降筒の制御機構を自ら微調整しているのでよ〜く知っています (瞬間的な気圧差の発生で昇降筒内で光学硝子レンズが互いに引き合う現象が発生する/つまり気圧差の影響が起きて いる)(笑) しかしその発生した極僅かな引張力はすぐに解消される為「現場の気圧に戻った」と言い替えられますね(笑)
このように当方では自ら完全解体しつつ「観察と考察」によって必ずその現象を突き詰めて (理解し)、且つ「原理原則」に則っていくなら自ずと道理が通る説明が成されるワケです (現実的に実際にそのような動き方に至る/道理と異なる動き方には絶対至らない)。
オールドレンズに於ける「人の手で加えられたチカラの伝達と活用」の真理であって、当時の設計に活かされている概念なのだと言えないでしょうか。
要はオールドレンズ内部の構造的な動き方や制御は「何としてでも期待通りに動かす」と言う精神性が通用する世界では決してありません(笑) 特に当方のような昭和生まれが好みそうなお話ですが(笑)、現実は厳しくいくら軟らかいと言えども金属相手ともなれば「精神性は一切通用しない世界」と断言でき ますね(笑)
つまりフツ〜に使っている中で勝手に (ある日突然) 1cm以上もの長さで亀裂が入る (割れが 入る) 事は想定できません。
ではどうして「割れ!」が起きてしまったのか?!
答は簡単で(笑)、おそらく貼り合わせレンズにバルサム切れ (この場合は致命的なクモリ) が 起きてしまい、一旦剥がして再接着することで改善しようと試みたのだと思います。その剥がす作業時に「温度差」を利用して「光学硝子材の熱収縮」によるバルサム剤の剥離を誘おうとしたのでしょうが(笑)、残念ながらネット上で案内されているこの手法は「決して万能では ない」から要注意です。
もっと具体的に指摘するなら、必ず貼り合わせレンズの光学硝子2枚のカタチをチェックする必要があります。さらに剥がす際にどのようにチカラを加えるのか/加圧するのかまでちゃんと考えておかないと「如何にもこのように割れる!」事を当方も実証済です (まだ考えが浅かった初期の頃に同じ過ちを犯しているから知っている)(笑)
「何だョ、テメェ〜もやってる口なのか?!」とまさに偉そうな指摘をするんじゃないと叱られる話しですが(笑)、そもそも「温度差」を使うこと自体にムリがあります。今回の例で言えばその温度差が影響して光学硝子格納筒から1枚だけ硝子レンズを引き剥がそうとしたから拙かったワケで、同時にその際加えたチカラが「均等ではなかった/テキト〜だった」から格納筒の内壁が抵抗/負荷/摩擦となって内部でチカラが留保されてしまい「その箇所で亀裂が入ってしまった/つまり割れた!」次第です。
全ての事象には必ず因果関係が存在し理由があるハズです(笑)
出品者が「キズ」と指摘している箇所を見ると、明らかに外周部分のその箇所で格納筒の内壁が抵抗/負荷/摩擦の根源となって引き剥がすチカラが一極集中してしまい亀裂が発生し、且つ最後に持ち上げていた為に「今度は別の方向にさらに割れが進んだ痕跡」まで残ってしまい、要は「光学硝子の破断」であり、貼り合わせレンズの1枚目 (前玉寄り) の「割れ!」なのだと断言できます(笑)
いくら何でも「キズ」では済まされないと思いますね(笑)
これが単なる線キズなら写真に影響が出る確率も大幅に低下しますが「割れ!」ともなれば 逆に写真に影響が出る (要は割れが写る) 確率のほうが上がりますから「キズ」で済ますのは 要注意と言えます。
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は「Primoplan 58mm/f1.9 V《前期型−I》(exakta)」のページをご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑完璧なオーバーホールが終わっています。本当は倒れた6月4日時点で既に仕上がっていたのですが、緊急入院してしまったので仕方ありません(笑)
冒頭でさんざん解説したとおり、このモデルは光学系第2群の貼り合わせレンズにバルサム 切れが発生して全面に渡るクモリが生じる懸念がだいぶ高くなっています。また解説のとおり特に光学系構成図をご覧頂くと明白ですが、光学系第2群は中心部分で1枚目の前玉側光学硝子の厚みが薄くなっている為、下手に「温度差」によるバルサム剤剥離を試みるとやはり硝子材の割れを誘う因果関係に至りかねません。
本来の貼り合わせレンズ剥がしは全く別方法なので、ここはやはり正道で正しい手法に則ったほうが無難です。その意味でもオールドレンズの光学系構成図というのは、なるべく正しい 情報を手に入れるほうが安心ですね(笑)
↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。この当時のオールドレンズに倣い光学硝子材に「大小の気泡」が複数残っていますが「正常品」として扱われていた為、そのまま残っています。
◉ 気泡
光学硝子材精製時に、適正な高温度帯に一定時間到達し続け維持していたことを示す「証」と捉えていたので、当時の光学メーカーは正常品として「気泡」を含む個体を出荷していました (写真に影響なし)。
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑光学系後群側もご覧のとおりスカッとクリアです。LED光照射で極薄いクモリが皆無ですが、どちらかと言うと後群側のほうが「微細な気泡」が少々多めの印象です。パッと見では「微細な塵/埃」に見えがちですが、残念ながら3回清掃しても除去できなかったので塵/埃の類ではありません(笑)
このように「観察と考察」をちゃんと実践しているからこそ明確に指摘できるのであり「生産後何十年も経っているので、オールドレンズとはこういうモノです」などと言う、いい加減な (テキト〜な) こじつけ理由は言いませんね(笑) 逆に言えば完全解体してオーバーホールして いる以上、原因不明なまま (隠して) 組み上げて知らん顔しない限りは(笑)100%間違いなく不具合などの因果関係をキッチリ説明できます。
もしもそれを当方が適切に仕上げられなかった「言い訳」と受け取られるなら、それは仕方 ありませんね (敢えて反論しません)(笑)
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。なお1枚目に写っている汚れ状の部分は「写り込んでしまった当方の手の影」なので現物にはありません(笑)
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:12点、目立つ点キズ:7点
後群内:19点、目立つ点キズ:13点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内経年並み)
(後玉中央に極微細な薄い5mm長1本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:あり
(後玉中央に微細な点状キズ1点あります)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・光学系内には大小の「気泡」が複数あり、一部は一見すると極微細な塵/埃に見えますが「気泡」です(当時気泡は正常品として出荷されていた為クレーム対象としません)。「気泡」も点キズにカウントしているので本当の点キズは数点しかありません。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。
↑14枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動していますが、絞り羽根にはご覧のように経年相応な擦りキズが少々多めです。
絞り環を回すトルクは故意にワザと多少のトルク感を与えてあるので「スカスカ感」には至っていません(笑)
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・附属のUVフィルターはモデルの仕様上特殊径の為市販品が存在せず仕方なくテーピングにより代用しています。多少ネジ込みが利きますが基本的に単にハマッているだけなので、無理にネジ込んだりチカラを加えるとバカになって緩んでしまいます(ご留意下さいませ)。同様に附属の樹脂製のフードも径が合わないのでテーピングして代用しハマるようにしているだけなので、無理にハメ込むとテーピングがズレたり剥がれたりします。
↑今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。
《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
① marumi製UVフィルター (新品/代用品/テーピング)
② 本体『Primoplan 58nn/f1.9 V《前期型−I》(M42)』
③ 汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
④ 汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品/紐付)
⑤ 汎用樹脂製被せ式フード (中古品/代用/テーピング)
※ 樹脂製の透明フィルターケースが箱の中に入っています。
※ スナップ式前キャップの落下防止用の紐は恐れ入りますがご自分で結んで下さい。
ヤフオク! の出品ページに記載済みですが、附属のUVフィルターはこのモデルのフィルター枠径が⌀ 39.5mmと特殊径なので市販品が適合しません (存在しない)。仕方ないので⌀ 39mmのUVフィルターを手に入れてテーピングしてごまかしています。
一応現状ちゃんとネジ込みが利くようにしてありますが、あくまてもテーピングした厚み分だけで利いているだけの話しなので、強くネジ込んだり何度も着脱していると次第にバカになっていきます。もちろんまたテーピングすれば良いだけですが、一応ご留意下さいませ。
同様附属の樹脂製フードもテーピングで径を合わせてあるだけなので、無理に被せたりするとテーピング部分がズレたりめくれたりしますが、やはり再びテーピングすれば良いだけの話ですからご留意下さいませ。
↑一応ちゃんとグリーンのラインのとおり基準「▲」マーカーが一直線上に位置するよう合わせてあります (当たり前ですが)(笑)
もちろん距離環や絞り環のローレット (滑り止め) もちゃんと中性洗剤を使って経年の手垢など除去済ですからキモくないです(笑)
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑当レンズによる最短撮影距離75cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。
↑f値「f16」です。絞り羽根がだいぶ閉じきっているので「回折現象」がそろそろ表れ始めています。
◉ 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。
◉ 被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。