◎ Carl Zeiss (カールツァイス) Planar 85mm/f1.4 HFT《後期型》(QBM)

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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません

今回完璧なオーバーホールが終わってご案内するモデルは、旧西ドイツの
Carl Zeiss製中望遠レンズ・・・・、
 『Planar 85mm/f1.4 HFT《後期型》(QBM)』です。


前日に同じマウント規格「QBMマウント」の中望遠レンズとして今回の下位格版に位置するSonnar 85mm/f2.8 Rollei-HFT Made by Rollei (QBM)』をアップしましたが、モデルバリエーションで「後期型」になる為1974年頃の発売と推測しています。

今回扱う上位格版に当たる開放f値「f1.4」の超高速中望遠レンズPlanar 85mm/f1.4 HFT
《後期型》
(QBM)』の発売も同じ1974年になります。

1970年に旧西ドイツの光学メーカーRollei (ローライ) から発売された一眼レフ (フィルム) カメラ「Rolleiflex SL35」が採用したマウント規格が「QBMマウント」です。

このフィルムカメラは本来旧西ドイツのZeiss Ikonが扱っていた「ICAREX (イカレックス) シリーズ」の最終モデル「SL706」などの製産を旧西ドイツのバーデン=ヴェルテンベルク州Oberkochen (オーバーコッヘン) の工場で行っていた事から複雑な背景になります。

そもそも旧西ドイツの光学メーカーZeiss Ikonが1971年にフィルムカメラ事業から撤退して しまったので、その時の背景がこの当時のフィルムカメラやオールドレンズとの関わりを難しくしています。

【旧西ドイツZeiss Ikonを取り巻く背景】
1756年:オーストリアのウィーンでVOIGTLÄNDERが創業
1849年:戦前ドイツのブラウンシュヴァイクに本社/工場を移転
1889年:戦前ドイツでCarl Zeissを傘下にしたカールツァイス財団発足
1926年:戦前ドイツのDresdenでZeiss Ikonが発足
1932年:Zeiss Ikonがレンジファインダーカメラ「CONTAX I型」発売

ドイツ敗戦時に旧東西ドイツに分断される

1945年:旧西ドイツのシュトゥットガルトを本拠地としてZeiss Ikonが活動開始
1945年:旧東ドイツのドレスデンを本拠地のままZeiss IkonがCarl Zeiss Jenaに吸収
1956年:旧西ドイツでVOIGTLÄNDERとZeiss Ikonがカルテル提携
1969年:旧西ドイツでZeiss IkonがVOIGTLÄNDERを完全合弁化 (吸収合併)
1971年:旧西ドイツのZeiss Ikonがフィルムカメラ市場から撤退
1972年:旧西ドイツでZeiss Ikonがカメラ事業とVOIGTLÄNDERをRolleiに譲渡
1974年:旧西ドイツのCarl Zeissが日本のヤシカと提携し「CONTAX RTS」発売
1974年:旧西ドイツのRolleiが工場をブラウンシュヴァイクからシンガポール工場に移管
1981年:旧西ドイツのRolleiが倒産
1989年:「ベルリンの壁崩壊」事件勃発
1990年:東西ドイツ再統一によりCarl Zeiss JenaがZeissに吸収される

・・このような感じの年表で捉えると分かり易いかも知れません。

すると上の年表で赤色表記の年代部分が工場との関わりになります。当初は旧西ドイツの
oberkochenにあった製産工場は1969年VOIGTLÄNDERブラウンシュヴァイク工場に 移管されます。その後今度は1974年Rolleiに譲渡された為、後にはシンガポール工場へと 引き継がれていきました。

従って最終的にこれらの光学メーカーから登場していたフィルムカメラ製品やオールドレンズなどはシンガポール工場へと移管されていった話になりますね。

今回扱うモデルは「後期型」にあたりますが、フィルムカメラ「Rolleiflex SL350」発売のタイミングで追加で用意された
中望遠レンズのようです。

確かに「Rolleiflex SL35」から始まるRolleiが発売した当時のフィルムカメラの取扱説明書をチェックすると、掲載されているオプション交換レンズ群は全て「Sonnar 85mm/f2.8 (QBM)」しか載っていませんでした (初期はSLタイプで後にRollei-HFTを経てHFTに至る)。

すると今回扱うモデルはいつのタイミングで追加発売になったのかと言う疑問が湧くのですが、Wikiを読むと既に旧西ドイツのZeiss Ikonから発売されていた一眼レフ (フィルム) カメラ「CONTAREX (コンタレックス)」シリーズ用に、1974年に僅か400台しか製産/発売されなかったモデルとの記載があります。
(右写真はそのCONTAREX版Planar 85mm/f1.4 T*の写真)

さらに興味深い事にこのCONTAREX版Planar 85mm/f1.4 T*の光学系を
今回扱うRolleiflex SL35シリーズ用に流用したとの記載がありました。

確かに本家開発対象のCONTAREX版が僅か400本しか製産しないのでは、コスト管理面でシロウト考えでも大赤字なのが予測できます(笑) が然し、そもそも一眼レフ (フィルム) カメラ「CONTAREX」はシリーズ全体でも僅か55,000台しか製産されていないとの事で、当初より大量生産するつもりでスタートしていたフィルムカメラではないように考えます (実際あまりにも高価すぎて当時でさえ売れなかった)。
(右写真は一番最初に登場したCONTAREX I型モデルで俗称Bullseye)

つまり当方の考察では「余ってしまったから流用した」或いは「コスト面から流用した」のではなく、最初から同一の光学系を使ってRolleiflexシリーズ用にも発売するつもりだったのではないかと考えています。

すると「流用した」と言うコトバは不適当になり (何故ならそのようなシリーズを跨いで供給されている当時のオールドレンズはたくさん存在するから) 単に同一光学系を採用したと言うだけの話なのではないでしょうか。どうしてもCONTAREX版が僅か400本という数値が頭に 残るので流用したかのように捉えたくなるのでしょうが、当方は異論を唱えますね (400本でも販売価格面でちゃんと利益確保していたと考えます)(笑)

もっと細かく言うなら、元の光学系が「T*」のマルチコーティングでコーティング層を蒸着していますが、転用先のRolleiではマルチコーティングは「HFT (High Fedility Transfer)」で異なるので、Rolleiのマルチコーティングが被写体の色再現性として「自然で忠実な色表現」に特にこだわったコーティング技術だとすれば、それは自ずと「T*」とは収差の改善概念も解像度のピークも様々な要素で異なってくると考えられます。

つまりCONTAREXの光学系をそっくりそのままゴロッと転用してくるのではなく、あくまでも5群6枚ウルトロン型構成は踏襲しながら細かい各群の曲率や径などは再設計してきたハズだと踏んでいます。

どうしてその「流用」と言うコトバにここまで執拗にこだわるのかと言うと(笑)、実はこの モデルの絞り羽根は「閉じていくと三角形になる」非常に当時からしても異端児としか言い ようがない「三角のボケが出る」中望遠レンズだからです。

今考えても (今見ても) どうにもこうにもこの「三角形のボケ味」ひいては多少滲んだとしても「角張ったボケならお任せあれ!」みたいな飛んでもない描写性と言うのは、なかなか受け 入れ難いもので困りますね (胃が痛くなってくる)(笑)

ここで一つまたまた疑問が湧いたワケですが、どうして「円形ボケなら許せる」のに「角張ったボケ味はダメ」なのでしょうか?(笑) 天の邪鬼な当方はすぐにそうやってひねくれたモノの考え方をします(笑) おそらくこれは人の目が見ている画像として脳裏に刻まれているのが「円形ボケの滲み方」だからではないかと思います。それは取りも直さず人の瞳の構造がそもそも円形だからですョね?(笑)

当方は医学的な事は全く分かりませんが、何だかそのように感じるので、だとすると「角張ったボケ味にはむしろ即座に反応してしまう」とも考えられます。ここがヒントになるように 感じました(笑) この当時の海外光学メーカーは、或いはもっと一歩引いて考えて写真 (撮影) に対する海外の外国人の考え方と言うのは「ピントが合ったかどうか」が問題であり、且つ同時に「ピント面がどれだけ鋭いのか」にこだわり「アウトフォーカス部は全て収差」としか捉えていなかったと言う、当方の持論が出てきます(笑)

これはこのブログでも何度も解説していますが、日本語の「ボケ味」が、いえもっと言うなら「ボケ」と言うコトバそのモノが近年まで外国人に正しく伝わっていなかった (認識されていなかった) からに他なりません。近年ようやく英語辞書に「bokeh」と言うコトバが登録されたワケですが、その事の発端を作ったのはマイク・ジョンストン氏が1976年のとある写真雑誌に載せた記事がスタート地点になります (それまでbokehと言う英単語は存在しなかった)。この話は2005年8月号「写真工業」にも記事として載っています。

つまり日本人にはピント面だけではなくアウトフォーカス部の滲み方にも興味関心が高く、同時にそこに芸術性や感性を見出し表現性の果て無き追求に明け暮れていると「bokeh-aji」の項で解説しています(笑)

この一文が意味するところは、まさに外国人にとっては写真黎明期から始まる数百年に及び「ピント面」しか認識していなかった事の表れではないかと考えた次第です。

こんな話は日本人にしてみれば逆にオドロキなのですが(笑)、そもそも外国人には「 (わ) び寂 (さ) びの世界観」でさえも異次元の新鮮な感覚を伴う世界観に感じられるらしく(笑)、以前ギリシャのディーラと話していた時にこの話で熱くなった事があります(笑)

話が脱線してしまいましたが(笑)、要はこの「三角ボケの中望遠レンズ」はそのボケ方には無頓着すぎるほどに開発者、ひいては販売サイドは (当時としては)「ピント面の驚異的な鋭さ」に対する一つの「栄光」として販路を広げたかったのではないか・・というのが現状での当方の結論です。従って光学系の設計は決して流用したのではなく、最初っから他のシリーズにも積極的に使っていくつもりだったのではないでしょうか。然し残念ながら日本の光学メーカーの台頭には適わず、志半ばにしてついにRolleiは1981年に倒産してしまいました(涙)

いつもこの「bokeh」に対しての外国人の話を考える時、必ず思い出す映画があります(笑) アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリック監督による「2001年宇宙の旅」が頭を 過ぎります。まさに外国人にとっては「bokeh」の感覚とはこの映画に於ける「モノリス」の如き斬新で奇想で新鮮な領域を観た瞬間だったのではないでしょうか・・ (日本人=地球外 生命体!)(笑) マイク・ジョンストン氏は、まさに一番最初にモノリスに触れてしまった「あの骨を振り上げる猿人」の想いだったのかも知れませんョ(笑) ・・ってことは、私の婆さんは いったい何処の星の生まれなの???(笑)

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上の写真はFlickriverで、このモデルの特徴的な実写をピックアップしてみました。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています。

一段目
左端から真円で明確なエッジ (輪郭) を伴うシャボン玉ボケが滲み始めて、アウトフォーカス部が溶けて背景ボケへと変わっていく様をピックアップしました。後で出てきますがこのモデルの絞り羽根が閉じる際のカタチ「三角形」にもかかわらず、意外にもちゃんと真円のキレイな円形ボケを表出できています(笑) もちろん3枚目を観ると確かに「三角ボケ」の実写があり、いえ「あり」と言うレベルではなく、もぉ〜そこいら中が「角張ったボケ味」なので(笑)、ハッキリ言って円形ボケを出せる瞬間というのは相当シ〜ンが限定される話なのかも知れません。

もちろんどんなにカクカクのボケ味だったとしても一番右端の写真のように滲んで滲んで滲みきってしまえば(笑)、フツ〜の単なる背景ボケへと変わります。

二段目
さらに背景ボケに収差の影響をふんだんに受けている写真をピックアップしました。これは前述のように滲みきってしまえば別に「三角ボケのオールドレンズの写真」とは言い当てられる人が少なくなると思いますから、むしろ「背景効果」敵に積極的に使う手も一つだったりします。

然し、さすが当時の評価が「鋭すぎ」と言うくらいにピント面は意外と繊細な細いエッジを伴いながらも違和感なく最大限にリアルに浮き出て見えます。この点を「武器」として本当はCarl ZeissもRolleiも当時は闘いたかったのでしょう。しかし大戦で負けた屈辱を晴らす為に日本 (の光学メーカー) は黙っていませんでしたねぇ〜(笑)

三段目
焦点距離からすれば十分にポートレートレンズのハズなのですが、どうもネット時用の実写を観ても人物撮影でもっともっと生々しくリアルに撮れる中望遠レンズがたくさんあるように見えるのですが、如何でしょうか。ピント面が鋭いワリにはその素晴らしさが人物撮影に活かしきれていないようにも感じます。

光学系は5群6枚のウルトロン型構成で、特大の光学系前群からは想像外のちっちゃな後群へと繋いだ光学設計を採っています。この光学系後群側の外径サイズがもっと大きければ、ピント面の鋭さばかりが強調されずにむしろ素直な写りになって良かったようにも考えるのですが、如何せんやはり「絞り羽根」がクセモノで(笑)、どうにもこうにもこうするしか収差を可能な限り避ける手立てが無かったのかも知れません。

右図は今回オーバーホールの際、光学硝子レンズ清掃時に各群を1枚ずつ当方の手でデジタルノギスで計測してトレースした構成図です。

確かに様々なサイトで案内されている情報とは違うかも知れませんが、申し訳御座いませんが、一応ちゃんとデジタルノギスで計測したのでウソを掲載しているつもりは全く御座いません
そのようなご指摘はどうかご容赦下さいませ・・スミマセン。

【モデルバリエーション】
オレンジ色文字部分は最初に変更になった諸元を示しています。

1970年発売前期型
コーティング層:マルチコーティング HFT
絞り羽根枚数:9枚
絞りの開閉幅:三角形
光学系構成:5群6枚ウルトロン型構成
筐体意匠:銀枠飾り環あり
マウント規格:QBM

1974年発売後期型
コーティング層:マルチコーティング HFT
絞り羽根枚数:9枚
絞りの開閉幅:三角形
光学系構成:5群6枚ウルトロン型構成
筐体意匠:銀枠飾り環なし
マウント規格:QBM

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。内部構造や使われている構成パーツの設計概念などは、従前の様々な「QBMマウントシリーズ」オールドレンズと全く同一です。今回の個体が「Made in West Germany」なので、まさにシンガポール工場に製産を移管する直前の旧西ドイツはBraunschweig (ブラウンシュヴァイク) 工場製である事が分かり、さすがにとても貴重な個体ですね。

逆に言えば、これらBraunschweig工場製モデルの内部構造や使っている構成パーツを逐一知る事で、その後のシンガポール工場に移管してから製産されたモデルが、その設計概念などに於いて何ら変わりない/卑下する必要が無いと、むしろ言いたいです。

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です。このモデルはヘリコイド (オス側) が独立しているので別に存在します。何とズッシリと重みを感じる真鍮 (黄銅) 製です (黄銅のほう/アルミ合金材ではない)。

絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。

位置決めキー
位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー

開閉キー
開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー

位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)

開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環

イキナシ出てきましたが(笑)、これがこのモデルでの異端児たる由縁「三角形に閉じていく 絞り羽根」です。つまり3枚で1セットになりそれが3セット絞りユニット内に実装されます。

よ〜く観察すると3枚中2枚が同一形状で1枚だけカタチが異なります。

↑さて、このモデルでもやはり登場しましたが(笑)、相変わらず「1枚の板金をプレッシング してアームを両サイドに折り曲げて用意した簡素な設計」です。多少異なるとすれば、他の モデルと比べて材の厚みがある為そんなに簡単にアームが曲がらないシッカリした造りです。

「開閉アーム/制御アーム」がそれぞれ用意されていますがグリーンの矢印の箇所に「絞り 羽根の開閉キーが入る穴」が3個 x 3箇所で用意されています。

↑他のモデル同様にこのモデルでもマウント部内部には「操作爪」が存在し、この「開閉アームを横方向から左右に駆動」している為、必然的にそのチカラによってはこの付け根部分が
(グリーンの矢印) 最も経年劣化で弱くなり易い懸念があります。

従ってこの「QBMマウント」規格のオールドレンズでは「絞り環操作に違和感を感じたらムリに操作しない」事が肝要です! この曲がりの付け根部分が弱ったら最後、絞り羽根が正しく開閉しない「絞り羽根開閉異常」に陥り、それは取りも直さず「製品寿命」と言う結末にしか到達しません (修復不可能です!)。

さて、今回のご依頼者様も当方も同じなのですが(笑)「この三角形に閉じる絞り羽根は何とかならんのかねぇ〜?!」と口をひん曲げて言っているのがすぐに想像できますが(笑)、残念ながら3箇所でキーを保持する設計を採っているので、他のモデルの絞り羽根に入れ替える事がそもそもできません。また丸ごとこの「開閉環絞り羽根全て」を入れ替えてしまえと、少々乱暴に考えて調べましたが設計上のサイズが異なりどうにも入れ替えできません。

つまりは「三角ボケ」は切っても切れない存在としか言いようがありませんから、このモデルと長く付き合いたければ「胃薬」は必需品かも知れませんね(笑)

↑9枚の絞り羽根が組み付けられて絞りユニットが完成しました。こんな感じで最小絞り値まで絞り羽根が三角形を維持したまま閉じていきます (円形状のカタチになる箇所が一切ありません/3箇所固定だから)。

これはあくまでも当方の推論ですが、画の鋭さや収差の改善度合いを追求した為に、光学系の設計上どうしても三角形の閉じ方に落ち着くしか方法か無かったのではないでしょうか。

然し別の個体の話ですが、一番最初にこのモデルの絞り羽根が閉じる様を観た瞬間に、ビックリしすぎて危うく落下させてしまうところだったのを覚えています (そのくらい想定外の閉じ方でビックリ仰天!)(笑)

↑完成した鏡筒を立てて撮影しました。写真上が前玉側方向にあたります。下に「開閉アーム」が長く飛び出ているのが分かります。

↑ひっくり返して鏡筒の裏側 (つまり後玉側方向) から撮影しました。すると「開閉アーム」が鏡筒から飛び出ているもののスプリングのチカラで「常に開こうとするチカラ」が及んでいる事が分かります。また別の箇所には「連係アーム」と言う絞り環と接続するアームが用意されていますね。

↑この「連係アーム」は「制御環」と言う環 (リング/輪っか) の一部に備わり、且つ他に「なだらかなカーブ」も用意されています。その「なだらかなカーブ」に「カム」が突き当たる事で、その時の勾配 (坂) によって絞り羽根の開閉角度が決まる仕組みです。つまり「カム」はその絞り羽根の閉じる角度を絞りユニット内部に「伝達する役目」で使っているワケです。

すると「なだらかなカーブ」の麓部分が最小絞り値側になり、勾配 (坂) を登りつめた頂上が開放側にあたります。上の写真では「カム」が麓部分で突き当たるので、もしも彼にマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」が操作されれば、勢い良く最小絞り値まで絞り羽根が瞬時にシャコッと閉じるワケです。

↑距離環やマウント部を組み付ける為の基台です。

↑真鍮 (黄銅) 製のヘリコイド (メス側) を無限遠位置のアタリを付けた場所までネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。

↑やはり真鍮 (黄銅) 製のヘリコイド (オス側) を、同様無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルでは全部で15箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

↑ヘリコイド (オスメス) がネジ込まれたところでひっくり返して裏側 (つまりは後玉側方向) から撮影しました。すると解説のとおり基台に対してヘリコイド (オス側) もヘリコイド (メス側) も両方とも「停止位置が用意されていない設計」なので、このままどんどんネジ込んでいくと最後は基台を貫通して抜け落ちてしまいます。但しこのモデルではヘリコイド (オス側) だけが貫通しないよう設計されています。

いずれにしても、これら「QBMマウント」規格のオールドレンズはどのモデルも全て「無限遠位置のアタリ付けをミスるとヤバい」のは間違いありませんね(笑)

↑絞り環をセットします。この段階ではまだ鋼球ボールが組み込まれていません (ただ置いただけ)。

↑こちらはマウント部内部の写真ですが、既に各構成パーツを取り外して当方による「磨き研磨」を終わらせた状態で撮っています。両サイドに「直進キー」と言うパーツが締付ネジ固定されますが、この「直進キー」の微調整如何でこのモデルの距離環を回すトルク感が決まってしまいます。

オールドレンズと言うのは、必ず「観察と考察」が必須ですが、意外と過去メンテナンス時の整備者は蔑ろのまま単に組み上げているだけの人が多いですね(笑)

直進キーの材が違う」点に気が付いたかどうかで最終的な距離環を回すトルク感が変わってきます。

↑いよいよこのモデルの佳境には入りますが、マウント面から飛び出る「絞り連動ピン」機構部の組み付け作業です。単に締付ネジ2本で締め付け固定するだけの話ですが(笑)、実は個々の工程はそんなに簡単な話ではなくて当方もこの個体に1時間半かかってようやく「絞り連動ピン」をセットできたくらいです(笑)

要は取りも直さず当方の技術スキルがどんだけ低いのかョ・・と言う話なのですが(笑)、そうは言っても非常に神経質な設計概念で用意されてしまったのでどうにもなりません。

グリーンの矢印の箇所に「小さなスプリング」が1本マウント部を貫通するようになっており何とその引張力だけで絞り連動ピンが押し込まれた後の「復帰」をやらせています。これは さすがに設計にムリがあり、非常にスマートではないですね(泣)

日本人が設計すればもっと合理的な絞り連動ピンの復帰構造に設計したと思います。逆に言えば旧西ドイツのドイツ人らしい発想と言うか、どう言うワケか旧西ドイツ側の光学メーカー、Schneider-KreuznachやSteinheil München、或いはA.Schacht Ulmなど凡そ取って付けたようなスマートではない設計や構造を好むのでとても厄介なオールドレンズばかりです(笑)

このモデルで言えばグリーンの矢印の箇所に下手な連係機構を用意してしまったので、その微調整が相当大変です。ハッキリ言ってこのモデルは今回が最初で最後にしたいと考えているくらいですね(笑) 或いはこのモデルの整備をする場合「絞り連動ピンは外さない」と割り切れば良いと思いますが、残念ながら外して微調整しない限り、おそらく絞り羽根の開閉異常は改善できないと思います。

なかなかハードなモデルです・・(涙)

↑本当はこのマウント部を被せてセットする時が一番大変なハズなのに、それがいとも簡単にできてしまったと感じるくらい、前述の「絞り連動ピン機構部」の構造はメチャクチャ大変でした。

何故なら、一つ前の工程で1時間半もやっていたのはたったの一つ「僅か長さ3mmのスプリングを厚み6mmのマウント部を貫通させる」という作業です(笑) 何の事はなくピンセットなどで摘んで貫通させれば良さそうに考えますが、ところが貫通した後に絞り連動ピンの連係機構部にスプリングの両端で接続する必要があります。つまり「絞り連動ピンが押し込まれた後の飛び出すチカラを及ぼす」為の附随するスプリングなので連結させなければ意味が無いワケですが、下手に引っ張りすぎて「たった3mm長のスプリングを伸ばしてしまったらアウト!」だからです。

万一スプリングが伸びてしまったら最後「絞り連動ピンがすぐに復帰せず」それはそっくりそのまま「絞り連動ピンの移動量で絞り羽根が開閉する原理」なのがこの「QBMマウント」ですから、必然的に「絞り羽根の戻りが緩慢」と言う結末に至ります(怖)

従ってたかが「絞り連動ピン」なのですが、それ一つだけでこのオールドレンズは「超難度モデル」になっていると断言してしまいます(涙)

僅か3mm長のスプリングを僅か⌀1.5mm径でその距離6mmの穴に貫通させて両端を固定する作業とは・・人知の沙汰ではありませんね!(怒)

↑この後は光学系前群を組み付けて無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行い、最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすれば完成です。

その前に一応光学系第3群を撮影しました。赤色矢印の箇所に「反射防止塗膜」が製産時点で塗られているので (メッキされているので) 溶剤で拭いても溶けたりしません (つまりこの赤色矢印の黒色部分の塗膜は除去できない/だからこそ製産時点の塗装と分かる)。

これはいわゆる「コバ端着色/コバ端塗膜」なのですが、次の写真をご覧下さいませ。

↑一つ前の写真は光学系第3群をひっくり返して後玉側方向から撮っていましたが (写真上が後玉側方向)、上の写真は今度は前玉側方向から覗いた状態で撮っています。

すると赤色矢印の箇所の2列だけが「ライトグレー」で濃くないのが分かります。この点について「光学系内の内面反射」を気にされる方がいらっしゃるのですが、残念ながら溶剤で溶けないと言う事は、それは「製産時点の塗膜」だと言い替えられるので、当方では剥がして再塗装する作業を行っていません。

これはネット上でオールドレンズの描写性に対して非常に厳密な検証を執り行っている信用/信頼が高いサイトがあるのですが、そこで「内面反射 (迷光)」について解説している為、そのサイトを読んだ方がたまたま当方宛オーバーホール/修理をご依頼されると「コバ端塗り替え」を指示される事があります。

然しながら、残念ながら当方では対応できません (製産時点で塗膜がある箇所は溶剤で溶けないので別の方法で剥がすしかないから)。

逆に言うなら、製産時点で塗膜がなかった箇所はそのままハダカで剥き出しのままですから「反射防止塗料 (黒色)」を着色は可能です。然しそれで必ずしも「マットな漆黒の黒色」に仕上がらないので (作業方法があるのですがここではご案内しません/単に塗るだけではないから) 申し訳御座いません。

もっと言うなら、下手にコバ端着色にこだわると「光路長に影響大」である点が蔑ろにされます。これは例えば (毎日のようにしょっちゅうやってますが) 過去メンテナンス時に散々コバ端や光学硝子レンズの締付環を真っ黒に何度も何度も塗られていた場合、その「塗料の厚みが影響して最後まで締め付けられない」問題が起きます。

するとそのまま締め付けて終わってしまった過去メンテナンス時は、結果的に「甘いピント面」だったりします(笑) これを数十年前のオールドレンズだからと逃げ口上で済ませてしまっている整備会社が今も居ますが(笑)、実際はちゃんと除去して「光路長確保」してあげれば鋭いピント面に戻るので、当方のオーバーホールでは頻繁にそのような作業を経て完璧な仕上がりに至っています(笑)

どうでしょうか・・?(笑)

確かに光学系内を覗き込んだ時に「真っ黒黒」のほうが心の健康上良いのでしょうが、はたしてそれが因果関係で「甘いピント面」に堕ちていたとなれば、どちらを選択されますか?(笑)

当方では基本的に「マットな漆黒の黒色な絞り羽根が存在しない」ので (たいていはメタリックグレー)、光学系内の内面反射と気にするほどではないと受け取っています。実際光学硝子レンズの締付環や格納筒を数多く見ていますが、製産時点で真っ黒にメッキ加工されている場合とそうではない場合 (例:剥き出しのアルミ合金材のまま) に分けて作られているので、且つ光学硝子レンズのコバ端部分も剥き出しだったりちゃんと真っ黒の塗膜があったりとバラバラです。

しかもそれはオールドレンズの個体ごとに違うのではなく、今回のモデル同様「1本のオールドレンズ光学系内でバラバラに仕上げられている」からこそ、製産時点に製産メーカー (の設計者) が気にしていなかった要素であれば、当方が気にする謂われは無いとの方針です

これは実際数年前に光学硝子精製会社 (センサー用の光学硝子材) の方にお話しを伺った際、一般的なオールドレンズの光学系内に於ける「迷光 (いわゆる内面反射に起因するものも含めて)」を気にしない光学メーカーなど一つとして存在しませんが(笑)、しかしそれは許容値内なので悪い言い方をすれば「放置プレイ」だし、良く言えば「影響を写真として確認/視認できるくらいの迷光に至っていない」からこそ、あまり本格的にこだわって処置した光学設計を採っていないと考えられる・・とのお話でした。

さらにそれは先日のニュース記事でアメリカの塗料会社が「マットな漆黒度:99.9999%」と言う真っ黒な塗料を世界で初めて開発したと載っており、そこに何と「この塗料は人工衛星などに搭載される光学機器レベルで効果が期待されている」とハッキリ記載されていたのです。つまりは前出のお話しを伺った際の内容に近似したニュース記事で、まさに一般的なオールドレンズでは気にしても仕方ないような印象を受けました。

それでそのお話しを伺った時に「では絞り羽根が真っ黒ではない理由をどう説明されますか?」と逆に質問されて答えられなかったのが納得です(笑)

まぁ〜、逆に言うなら如何に「当方が信用/信頼されていない」のかをまさに如実に表しているような話であり(笑)、思わず笑ってしまいますが、そのよな情報を事前に得てご依頼される方は、どうかプロのカメラ店様や修理専門会社様宛に整備をご依頼されるほうが安心だと思いますくれぐれも当方宛オーバーホール/修理をご依頼頂かぬよう切にお願い申し上げます。ネット上でも当方の技術スキルが非常に低く信用/信頼が皆無である事で有名です

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了したオールドレンズの写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。距離環を回すトルクについては当初のトルク感同程度とのご指示でしたので、そのように仕上げています (少々重めと言うかシッカリしたトルク感の印象)。また「絞り羽根が冬期に開かない」と言うオーバーホール/修理ご依頼内容は、バラしてチェックしたところ特に絞り羽根の油染みが酷かったワケではなく (確かに経年の揮発油成分で油染みがあったが軽度な状況)、むしろマウント部内部の (例の)「絞り連動ピン機構部」の微調整が適切ではなかった為に生じていたか、或いは絞りユニット側の経年劣化 (酸化/腐食/錆び) かも知れません。

申し訳御座いませんが具体的にこれと言う因果関係を掴めていません。

なおここからのオーバーホールが完了したオールドレンズの写真は、全て前回オーバーホールしたCONTAREX版Carl Zeiss製『B-Planar 50mm/f2 “Blitz” (CRX)』にマクロヘリコイド付マウントアダプタに装着し、最近接撮影28cmでの写真です。

今まで愛用しているマクロレンズMakro-Kilarに比べると遙かにピント面が繊細で柔らかくなって、しかし違和感の無い緻密感も残っていて非常に好ましい描写性に感じました。いわゆるギラギラした鋭さだけの写真でもなく、またマクロレンズMakro-Kilarのドライな 写り具合でもない、全く別モノの独特な表現性に心奪われますね。

重ささえ気にならなければまさに愛用レンズになっていたのですが・・。
何だかんだ言っても素がPlnarだけあって素晴らしい画造りです・・。

狙いが正しかった事がこれで納得できました。確かにマクロヘリコイド付のマウントアダプタに装着して撮影した時、本来の仕様上の描写性から (仕様上の最短撮影距離位置から) さらに逸脱した近接撮影 (今回で言えば28cmまで近づいて) で使ったワケですから、それは自ずと光学設計上の保証が一切無い、ある意味収差の影響も覚悟しなければならない写りに堕ちるリスクがあったワケです。

ところがこの“Blitz”のPlanarときたら収差も解像度も、しまいには中央部だけではない周辺域に至るまで、一切の妥協無く「できる事は全てやってしまった」オールドレンズだからこそ、仕様上を逸脱した近接撮影にもこのように立派に耐えられたのだと感心しきりです!(驚)

これがちょっとした標準レンズだったりしたら、相応に収差の影響を受けて「使える写真と 使えない写真」の二極化という結末に至っていたと推測できます。

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。残念ながらコーティング層経年劣化に伴うコーティング層の線状ハガレ (とても薄く微細なヘアラインキズ状に見えるコーティングハガレ) が数本残っています。

↑光学系後群側も同様LED光照射で極薄いクモリが皆無です。こちらの後群側の光学硝子レンズ締付環に僅かな緩みが残っていたので、当初バラす前の実写チェック時点で「甘いピント面」だったようです。現状本来の鋭いピント面に戻っています。

↑きっと毎度見るたびに胃が痛くなるのでしょうが(笑)、9枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正三角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

↑塗布したヘリコイドグリースは「黄褐色系グリース」で「粘性中程度」です。ご指示に従い当初バラす前のトルク感同程度を目安に仕上げています。従ってシッカリした重さのトルク感になっています。

↑その他絞り環操作も機敏に反応するよう微調整済ですし、このモデルで最も厄介なマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン機構部」も適切に組み付けてありますから、おそらく冬期でも「絞り羽根の開閉異常」には至らないと考えます。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

以上ここまでのオーバーホール後の写真が、前述の“Blitz”Planarによる疑似的なマクロレンズ撮影での写真です。これ以降の実写は今回仕上げたオーバーホール済の個体で実際に撮影した結果になります (QBMのPlanarのほう)。

↑当レンズによる最短撮影距離1m付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

この実写はミニスタジオで撮影していますが上方と右側方向からライティングしています。その関係でフードを装着していない為に絞り値の設定によりハレ切りが不完全なまま撮影しています。一応手を翳していますがハレの影響から一部にコントラスト低下が出てしまうことがあります (簡易検査具による光学系検査を実施済で偏心まで含め光軸確認は適正/正常)。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f2.8」で撮りました。

↑f値は「f4」に変わっています。

↑f値「f5.6」になりました。この実写ではフーとを付けていないので、残念ながら既にこのf値で「回折現象」の影響が現れ始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

↑f値「f8」での撮影です。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。大変長い期間に渡りお待たせし続けてしまい本当に申し訳御座いませんでした。今回のオーバーホール/修理ご依頼、誠にありがとう御座いました。