〓 Meyer-Optik Görlitz (マイヤーオプティック・ゲルリッツ) Trioplan 100mm/f2.8《中期型》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、旧東ドイツは
Meyer-Optik Görlitz製中望遠レンズ・・・・、
Trioplan 100mm/f2.8《中期型》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回オーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた12年前からの累計で当時の旧東ドイツはMeyer-Optik Görlitz製中望遠レンズ「Trioplan 100mm/f2.8」の括りで捉えると累計で16本目にあたります。

実はこのモデルを整備する際の恐怖感から、2021年に整備したのを最後に全てのオーバーホール/修理ご依頼をお断りしているモデルの一つです。このモデルは鏡胴が「前部/後部」に二分割するタイプの設計ですが、取り外した鏡胴「前部」をバラして鏡筒を取り出す際に「専用の治具を使い反時計方向に回す時に開閉環のシリンダーネジを破断する懸念が高い」事実から、その恐怖感により一切の整備作業をお断りしているモデルです。

鏡筒部分が鏡胴「前部」にネジ込まれているのを外す為に「反時計方向に回す」必要がありますが、その際必ず絞り環まで一緒に回すことになります。ところがその絞り環が最後まで回っている時に (つまり最小絞り値まで回りきって突き当て停止している時に) そこで突き当て停止している (絞り環がそれ以上回らなくなっている) 理由は「プリセット絞り機構部の仕組みにより開閉環のシリンダーネジが突き当たっているから」という設計なのです。

その為に、もしも鏡筒のネジ込みが固すぎた時、或いは固着剤を流し込まれていた時、反時計方向に回して加えたチカラの全てが「僅か1mmにも満たない軸のシリンダーネジに一極集中する」事から、そのチカラに耐えきれずに軸が破断すると絞り環が空転してしまい二度と解体できないばかりか「そもそも正常に機能しなくなる/絞り羽根が開閉しなくなる」と言う恐怖感に苛まれます(怖)

シリンダーネジ シリンダーネジ
円柱の反対側にネジ部が備わり、ネジ部が締め付け固定される事で円柱部分が他のパーツと連携させる能力を持ち、互いにチカラの伝達が実現できる役目として使う特殊ネジ

従って上の写真の円柱部分が引っかかって絞り環が停止している関係から、鏡胴「前部」を反時計方向に回した時の全てのチカラが「軸部分に一極集中する」次第です(怖)

その加えたチカラにこのシリンダーネジが耐え凌いでくれれば、加えたチカラにより鏡筒が反時計方向に回り始めて外せるワケです。しかし軸部分で破断してしまえば絞りユニット内の開閉環に軸部分が残っただけで絞り環が空転してしまい (シリンダーネジが折れた為に絞り環に引っかからなくなり連係しないので絞り環が空転する結果に至るから)「絞り羽根は一切開閉の動作をしなくなる」と言う結末を迎えるのです(怖)

つまりバラす前は正常だったのにこれらの所為により「当方が壊してしまった事になる」のでその恐怖感しか存在しないワケなのです。

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はTrioplan 100mm/f2.8 (exakta)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホール/修理が完了したオールドレンズの写真になります。

↑完璧なオーバーホール/修理が終わりました。当初バラす前のチェック時点では絞り環操作時に「開放側と最小絞り値側の両端で詰まって停止」していたのと合わせ、距離環操作時も「無限遠位置でやはり詰まって停止」していました。さらに実写確認すると「極僅かにピント面の鋭さが足りない印象」で、このモデルのピント面たる「ピントのピーク/山を迎えていない」鋭さ感に感じました・・これは決してアンダーインフ状態を指しているのではなく、無限遠位置に関係なくピントのピークが足りない印象です (もっと鋭くスパッと合焦するハズ)。

↑上の写真は完全解体した後で撮影した「鏡筒をひっくり返した時の写真」です。見えている/写っている側は後玉側方向になるので、反対側が前玉などが入る場所と言えます (この上に光学系後群格納筒が入るから)。

するとご覧頂ければ分かりますが「既にネジ山の一部が撓んでいてネジ山が潰れている箇所がある」のが分かります。

実はこのせいで鏡筒を外す事ができず、何と3日掛かりであ〜だこ〜だいろいろ試すハメに陥りました(涙) 目一杯のチカラを加えて反時計方向に鏡筒を回すものの「ほんの僅か8mmほどキ〜キ〜音と共に反時計方向に回ってしまったものの、そこから先一切回らなくなった」為にいろいろ試すハメに陥りました。

何故なら、一切反時計方向に回らなければ良かったものの (そのまま諦められたものの) 下手に8mmほど反時計方向に回ってしまった為に、今度はそのまま組み上げても「絞り環と連係できずに絞り羽根の開閉が正常に行われない」と言う話に至り、そのままでは組み上げられない現実に突き当たりました(涙)

・・つまり是が非でも何がなんでも完全解体するしか解決法が残っていない!(涙)

そのような状況に陥り、それこそ寝る間も惜しんで必死な想いで3日間解体作業にひたすら臨んでいました(涙)

3日目にしてバラしてみれば何の事はなく、過去の整備作業時に既にご覧のようにネジ山が潰されていたので「キ〜キ〜音が鳴るのも当然な話」だったワケです(涙)

・・知らない事とは言え、詰まる処当方自身が壊していることに変わりはない!(涙)

これこそが恐怖感だった所以の何ものでもありません!(涙) おそらく過去メンテナンス時にも既に鏡筒が固すぎていろいろとあ〜だこ〜だ処置を講じたのだと思います・・それでネジ山がこのように潰れていた?(泣)

結局完全解体してみなければ何一つその因果関係は判明しません(涙) バラしてみればそう言う事だったのかと理解できますが、完全解体できなければそれすら掴めないままです (単に当方が壊してしまっただけの話)・・いったいこのような事柄にどうして恐怖感を感じないと言えるでしょうか?!(涙)

↑上の写真は完全解体ができてオーバーホール工程を進めている途中で撮影しています。既に当方の手により「溶剤で全ての反射防止黒色塗料を溶かして完全除去が終わった状態」での撮影です。

上の写真は光学系第2群の両凹メニスカス光学硝子レンズがモールド一体成形されている「光学系前群格納筒」になりますが、ひっくり返して後玉側方向から撮っています。

右構成図のちょうど 色に着色した光学系第2群の両凹メニスカスですね。

光学系前群格納筒」でもあるので、左側に位置する光学系第1群前玉が一緒に格納されるワケです。

すると当初バラした直後になりますが、過去メンテナンス時に執拗に「反射防止黒色塗料」が厚塗りされまくっており、グリーンの矢印の箇所に着色されていました・・そのような所為は今回のこの個体に限らず非常に多くのオールドレンズでほぼ90%以上の確率で「反射防止黒色塗料」が着色されています(笑)

上の写真で指し示したグリーンの矢印の箇所に塗られていた「反射防止黒色塗料」は許せます。ところが赤色矢印で指し示した箇所に塗られていた「反射防止黒色塗料」は「光学系構成上の直進方向の位置なので光路長にモロ影響を及ぼす箇所」であると指摘できます。

上の写真で言うなら、赤色矢印で指し示した箇所に塗られていた「反射防止黒色塗料」の塗膜の厚み分がそっくりそのまま「光路長を狂わせている要素」に直結しているのがご理解頂けると思います。

↑同じ光学系前群格納筒ですが、今度はひっくり返して前玉側方向から撮影しています。すると同様グリーンの矢印で指し示した内壁箇所には「反射防止黒色塗料」が塗ったくられているものの、問題なのはやはり光学系構成上の直進方向にあたる赤色矢印で指し示した箇所です。

この迫り出ている「棚のような箇所」に前玉がハマッて締付環で締め付け固定されます。従ってここに塗られている「反射防止黒色塗料」はその塗膜の厚み分が「モロ光路長を狂わせている」原理に至るのが分かると思います。

ちなみに当方にて溶剤を使い「反射防止黒色塗料」を完全除去してもご覧のように一番下部分には製産時点からマットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ黒色メッキ加工が施されているのが分かります (下側のグリーンの矢印で指し示している箇所)・・いったいどうしてさらにその上から「反射防止黒色塗料」を塗るのですか???(怒)

↑今度は光学系後群側の光学硝子レンズ格納筒をやはりひっくり返して撮影しています。見えている側が絞りユニット側方向にあたります。

すると同様グリーンの矢印で指し示している箇所に「反射防止黒色塗料」が厚塗りされていましたが、それは許せます(笑) 過去メンテナンス時の整備者のマスターベーションと諦めが着きます(笑) ところが赤色矢印の箇所に塗られている「反射防止黒色塗料」はやはりモロに光路長を狂わせています (この格納筒を最後までネジ込んでいった時に着色されている塗膜の厚み分で格納位置がズレるから)。

↑やはりひっくり返して光学系後群格納筒を撮影していますが、今度は後玉側方向からです。すると内壁部分にあたるグリーンの矢印の「反射防止黒色塗料」は仕方ないとしても、赤色矢印の箇所に塗られた「反射防止黒色塗料」はその塗膜の厚み分が「後玉の格納位置を狂わせている」話に直結です。

↑試しに今度は「光学ガラスレンズ用の締付環」を撮影しました。やはりグリーンの矢印の箇所で「反射防止黒色塗料」が厚塗りされていましたが、当方の手により溶剤で完全除去を済ませています(笑)

↑同じ「締付環」をひっくり返して裏側方向から撮りましたが、グリーンの矢印で指し示している箇所は「前述の光学系構成上での直進方向にあたる」ものの、この環/リング/輪っかは単に光学硝子レンズを締め付け固定しているだけなので「光学系の光路長には一切影響を与えない」からこそ問題になりません (だから赤色矢印で指し示していない)。

・・当方が気に触るからと溶剤で「反射防止黒色塗料」を除去しているにすぎません(笑)

このように当方では基本的に「製産時点に設計者が必要性を認めてメッキ加工している反射防止黒色塗料以外は必要ない」との立場を貫いており、どんなに皆さんが「迷光が迷光が!」と騒がれても一切気にしません!(笑)

・・そこまで言うなら絞り羽根の表裏をマットな艶消し黒色メッキ加工に仕上げてくれ!!!

そのように言いたいですね(笑) それではどうしてそこまで「溶剤で溶ける反射防止黒色塗料」を嫌うのかと言えば、詰まる処「光学硝子レンズのコーティング層に悪影響しか及ぼさないから」と言えます。特にコーティング層の経年劣化に伴い「薄いクモリ」を帯びている場合について、いったいどのように過去メンテナンス時に塗られた「反射防止黒色塗料」のインク成分が影響を来しているのかは明確ではないと、以前取材した工業用光学硝子レンズ精製会社様でもお話しを伺っています。

だからこそ製産時点に必要なかったハズの「溶剤で溶ける反射防止黒色塗料」を徹底的に嫌っているのです・・それほどオールドレンズの光学硝子レンズの経年劣化が進行しているから!

↑結局、最終的にオーバーホール/修理が終わって組み上げると、この個体を手にされるご依頼者様お一人様だけは当方がここでさんざん述べてきた話をご理解頂けると思いますが、当初バラす前の実写確認時よりも「ピント面の鋭さ感がだいぶ増している」のを感じて頂けると思います。

その他の、単にこのブログを読んでいる皆様方には「またウソを広めている!」と罵られたとしても致し方ありません。ピント面の鋭さの変化を検査する機械設備を当方が所有していないので、何を述べたところでたかが転売屋/転売ヤーの言う事など誰も信用しません(笑)

上の写真をご覧頂くと分かりますが、光学系第2群の両凹メニスカス光学硝子レンズの外周部分の蒸着コーティング層が僅かに剥がれてきています (上の写真下側で白っぽく写っている箇所)。一つ前の写真で前玉側方向から撮影した個体の全景写真で「光学系内に白っぽく反射していた汚れ状の箇所」がこの部分の反射になります・・つまり前玉が白っぽくなっているのではありません(笑)

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。

最終的に光学系の全ての群で (第1群前玉両凹メニスカス後玉) 光路長をキッチリ確保できたので、距離環を回したどの距離位置での撮影でも「ピントのピーク/山を確実に捉えられるピント面の鋭さ感」に戻っています!(涙)

・・それだけでもオーバーホール/修理した甲斐があったと言うモノです!(涙)

↑15枚の絞り羽根もキレイになり (当初バラした直後の赤サビなどが除去できて) 美しい円形絞りを維持したまま閉じていってくれます(涙)

冒頭で解説したとおり「残念ながらシリンダーネジは破断してしまった」ので、今回のオーバーホール/修理では代用のシリンダーネジを探し当てて転用しています。

この件については当方が壊してしまったのは間違ありませんから(涙)、以下の通り減額下さいませ。

オーバーホール/修理ご依頼者様皆様に告知しているとおり、もしもお届けしたオールドレンズの仕上がり状況にご満足頂けない場合は、そのご納得頂けない要素に対して「ご納得頂ける分の金額をご請求金額より減額」下さいませ。
減額頂ける最大値/MAX額は「ご請求金額まで (つまり無償扱い)」とし、大変申し訳御座いませんが当方による弁償などは対応できません・・申し訳御座いません。


ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑塗布したヘリコイドグリースは「黄褐色系グリース」を使いいつもの当方らしいとくとくなトルク感に仕上げてあります。但し当方の印象としては「少々重めかな?」との感想なので、この点もご納得頂けなければご請求額を減額下さいませ・・申し訳御座いません。

筐体外装はご依頼のとおり「ピッカピカ!」に磨き上げてあります。可能な限り経年のキズなども目立たなくなるくらい徹底的に磨き上げたので、まるで新品のように眩い光彩を放っています(笑)

当初バラす前のチェック時点で無限遠位置側が詰まった印象で停止していたのも前述した「鏡筒のネジ山の潰れ」の影響だったので (最後までネジ込みきってしまっていたから) 影響が現れない位置で鏡筒を固定しています。

↑それが上の写真で、グリーンのラインで指し示したように本来は赤色矢印で指し示した位置にある「絞り環用の基準マーカー」が垂直状に並ぶべきですが、今回の個体はご覧のようにズレています。

これをキッチリ垂直状の位置で合わせようとすると「再び代用したシリンダーネジが破断する恐れが高い (キ〜キ〜音が相変わらず鳴っているから)」点と、合わせて絞り環の操作性 (開放側と最小絞り値側の両端で詰まって停止する) にプラスして、無限遠位置で詰まって停止し距離環の初動が固くなる因果関係に繋がるのを確認した為、その影響が最も現れない位置で鏡筒を固定しました (だからズレている)。

その分この個体はヘリコイドのネジ込み位置を変更し光学系の光路長を適合させています。

従って、やはりこのモデルの整備は恐怖感しかあり得ない!』ので、今後の扱いはどんなに懇願されても一切応じない事に決めました。今回の扱いが最後です (引退するまでに二度と扱いません)。

無限遠位置 (当初位置から変更しています)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離1.1m附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」で撮影しています。ピント面のピーク/山はピタッと瞬時に迎え、アッと言う間にピーク/山を越えるので、その前後が明確になるようちゃんと光路長を合わせてあります (当初バラす前の実写チェック時点では明確ではなかった)。

↑さらに回してf値「f5.6」で撮影しています。

↑f値は「f8」に上がっています。

↑f値「f11」での撮影です。

↑f値「f16」になりました。そろそろ僅かですが「回折現象」の影響が現れ始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。今回のオーバーホール死期以来、誠にありがとう御座いました。引き続き次のオールドレンズの整備作業に移ります。