〓 FUJI PHOTO FILM CO. (富士フィルム) FUJINON 55mm/f2.2《前期型》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、フジカ製
標準レンズ・・・・、
 『FUJINON 55mm/f2.2《前期型》(M42)』です。


このモデルの当方での累計扱い本数は46本目にあたり、その中で「後期型」は28本目ですがさらにその中で「光学系がスカッとクリアで透明な個体」となると「僅か9本」しかありま せん。

【FUJINON 55mm/f2.2にみる問題点】
光学系前後玉のカビ発生状況
光学系前後玉のコーティング層経年劣化状況
距離環を回すトルクの問題
筐体外装のヒビ割れ・欠損の状況

ザッと挙げるとこれだけ出てきますが、これら問題のうちが特にこのモデルで多く発生している症状です。調達時にどんなに掲載写真を拡大したり画像処理しても、なかなか正確な状況が掴めません。たいていの場合実際に届いて現物をLED光照射して初めて光学系内の状況が掴めるので、その意味でハイリスクなモデルの一つです。

そんな中で今回の個体も光学系の状態を最優先に調達したのですが、順光目視でもさらに光に翳しても全く視認できなかった前玉中央の極薄いクモリ (汚れ状のクモリ) が前玉だけを取り出している時にLED光照射して初めて視認できました。つまり光学系内にセットして組み上がってしまうと、言われなければおそらく気が付かないままかも知れません。

極薄いクモリが前玉にあると言うことで探してようやく発見できるくらいのレベルです。

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このモデルが販売されていた当時の背景や解説/考察などは、過去の掲載FUJINON 55mm/
f2.2《後期型》
(M42)』
をご覧下さいませ。

特にこのモデルの一番の魅力は、何と言っても旧東ドイツのMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズに匹敵し得る「真円の美しいシャボン玉ボケを表出
させられる
」唯一の日本製オールドレンズと言えばご理解頂けるでしょうか。
(円形ボケ/玉ボケでもリングボケでもない正真正銘のシャボン玉ボケ)

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程の解説などはFUJINON 55mm/f2.2《後期型》(M42)』のページをご参照下さいませ。

 

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

 

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ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わっています。光学系は特に前玉について冒頭で告知のとおりLED光照射すると中央に極微かな薄いクモリがようやく視認できますが、パッと見でもシッカリ光に翳して覗いても上の写真のような状態なので、バラして清掃するまで全く気がつきませんでした (つまり当初バラす前のチェック段階ではクリアな光学系だとばかり信じていた/そのくらい薄い状態です)(笑)

↑前玉を組み込んでしまうとご覧のようにひたすらに透明でクリアにしか見えません。極薄い微かなクモリだとしても、実際に具体的に視認できるなら光に翳して覗き込んだら普通は見えるだろうと考えるのですが(笑)、しかし組み込んでしまうとまたそれが明確に見えなかったりするんです。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

まず以て撮影時にはまさしく上の写真のとおりで全く前述のクモリは不思議なくらいに視認できません(笑)

↑逆に光学系後群側はこのモデルにしては少々珍しい「限りなくスカッとクリア」と言う固体なので、本当に前玉の状況が悔やまれます。ハッキリ言ってこのモデルで後玉表面側に何も無い (カビ除去痕やコーティング層経年劣化などが無い) などというのは本当に珍しいです。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

従って前玉の状況もこの後玉のおかげで何ら問題なくなってしまったと言う次第です。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:13点、目立つ点キズ:9点
後群内:15点、目立つ点キズ:10点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い7ミリ長が数本あります)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):あり
特に前後玉表面にコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが汚れ状に残っておりLED光照射で初めて浮き上がります(順光目視できず)。
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「重め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・指標値環のイモネジ用の穴部分が2箇所割れており接着しています。またフィルター枠や距離環には打痕が残っています(一部に凹みあり)。

↑全ての構成パーツが金属製ならもう少し気に入った仕上げ方で組み上がるのですが「一部の構成パーツがエンジニアリング・プラスティック製」だと仕方ありません。まして作っていた富士フィルムはここまで何度も整備して使い続けられるとも想定していなかったと思います(笑)

しかしその描写性として、この独自の「4群4枚フジノン型光学系」から吐き出される大変美しいシャボン玉ボケは、特にこの当時の日本製オールドレンズの中にあっても「ことさら希少価値が高い表現性」だと明言できます。逆に言えば旧東ドイツのMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズに匹敵し得る唯一の日本製モデルとも言えるのではないでしょうか

当方の認識としてはそれほどまで評価が高いモデルと受け取っています。

↑マウント面にある (実際は絞り環の縁にある)「開放測光用の爪」は切削せずにそのまま残してあります (グリーンの矢印) から、この当時のフジカ製フィルムカメラに装着して機能を働かせて使うことができますが、逆に今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼などにマウントアダプタ経由装着される場合は「必ずご自分で切削」下さいませ (以前切削していた頃に突起が存在した四角い痕跡が残っていると文句付けた人が居るので当方ではやりません)。

一部のマウントアダプタは、オールドレンズ側のマウント面に突出があるので、そのまま最後までネジ込んで使える場合があります (つまりマウントアダプタの相性問題が顕在します)。K&F CONCEPT製マウントアダプタの「新型」或いはRayqual製マウントアダプタなどはそのまま最後までネジ込みができるタイプです。

↑当方が所有している以下のマウントアダプタについて、実際に今回の出品個体を装着した状態を掲載します。特に K&F CONCEPT製マウントアダプタは2千円台で出回っているので、安価ですから手に入れるのも良いと思います。

RAYQUAL製マウントアダプタ (日本製)
K&F CONCEPT製マウントアダプタ (中国製)

両方ともオールドレンズ側のマウント面に「1mm強の突出」が用意されているので (グリーンの矢印)、今回出品の個体をネジ込んでいっても引っ掛かる事が無く、ちゃんと最後までネジ込めるワケです。

なお、共に「ピン押し底面の深さ」は「6mm」です (ブルーのラインの深さ)。

RAYQUAL製マウントアダプタに今回の出品個体を装着した時の写真です。ちゃんと最後までネジ込めて、且つブルーの矢印のとおりオールドレンズ側の基準「●」マーカー位置がマウントアダプタの真上の位置にほぼ合致しています。

↑こちらは K&F CONCEPT製マウントアダプタの装着状況を撮った写真です。同様、ちゃんと最後までネジ込めて、且つブルーの矢印のとおりオールドレンズ側の基準「●」マーカー位置がマウントアダプタの真上の位置にほぼ合致しています。

このようにマウントアダプタ装着時の問題なども当方では可能な限り出品前に事前に検証し、ご落札者様がお使い頂く際に問題なくご使用頂けるよう配慮しているつもりですが、然しながら信用/信頼が無いとの事なので(SNSでそのような評判らしい)(笑)、過信は禁物かも知れませんね(笑)

一応ウソを言っていないつもりなのですが(笑)、信じられないようなので装着例の写真を撮って載せました(笑)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離60cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありません。またフード未装着なので多少ハレーション気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しましたが、絞り環状の刻印は単なるドット「●」です。

↑さらに回してf値「f4」での撮影です。

↑f値は「f5.6」に変わっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」です。「回折現象」の影響が現れ始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。