〓 YASHICA (ヤシカ) AUTO YASHINON DS-M 50mm/f1.7《富岡光学製》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、ヤシカ製
標準レンズ・・・・、
 『AUTO YASHINON DS-M 50mm/f1.7《富岡光学製》(M42)』です。


このモデルをオーバーホール済でヤフオク! に出品する際は、いつも必ず以下のように明記しています。

巷ではCONTAX版Carl Zeiss Planar 50mm/f1.7 (C/Y)をも彷彿する描写性と評価されているにも拘わらず、ヤシカモデルだからという理由なのか、低い市場評価のまま何年も堪え忍んでいる不遇なオールドレンズの一つです(笑)

その写りをPlanarと比較すると、確かにボケ味はPlanarのほうが柔らかく出てDS-Mは僅かにエッジが誇張気味の印象ですが、角張ったエッジの玉ボケで比較しない限り両者の相違が分からないほどなので、むしろDS-Mのほうが頑張っているとエールを贈りたくなります(笑)

日本人のブランド志向が強い国民性が影響しているのでしょうか・・(笑)

残念ながらこの当時に製産された富岡光学製モデルは、光学系の「カビ発生率が高い」状況です。その意味でこれから先さらに50年の歳月を越せるほどの耐性はもう保ち得ていないと考察しています (つまりいずれは消滅していく運命たる絶滅危惧種の一つ)。

今回扱う個体が累計本数で17本目にあたりますが、おそらく今まで扱った個体の中で「最も 光学系の状態が良い個体」と言い切れるスカッとクリアな透明度を維持しています。

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程の解説などは「AUTO YASHINON DS-M 50mm/f1.7 《富岡光学製》(M42)」のページをご参照下さいませ。

 

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

 

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ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。内部構造面ではこのモデルの上位格に位置付けする開放f値「f1.4」モデルと何ら比較して遜色ない設計なのですが、当方にとってはオーバー
ホール分の作業対価を回収できるかどうかがビミョ〜と言える、いまだに市場評価が低いまま推移している「不遇なオールドレンズ」の一つです。

↑その上、実は富岡光学製オールドレンズの光学系がそろそろ「限界値に到達」しているようで、近年富みに「カビ発生率が高い」状況とも言えます。このモデルで言えば今までにカビが発生していなかった個体が「ゼロ」と言えるので、当方の累計扱い本数が今回の個体で17本目としても、相当な発生率だと考えます。

今回の個体にもカビが生じていましたが「LED光照射しないと視認できないレベル」です。もちろん「光学系内はスカッとクリア」でLED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群側も透明度が高い状態を維持しているのでLED光照射でも極薄いクモリが皆無です。但し後玉表面側には数点ですがLED光照射で視認できるカビの芯が白っぽくカビ除去痕として浮かび上がります (写真は一切影響なし)。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:15点、目立つ点キズ:10点
後群内:17点、目立つ点キズ:12点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い2〜4ミリ長が数本あります)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内を反射させて覗くと一部に清掃時の拭き残しに見える痕がありますがコーティング層経年劣化に伴う剥離部分なのでLED光照射しても視認できず清掃しても除去できません(写真にも影響は一切無し)。
・後玉の表面側に経年相応なカビ除去痕が数箇所残っておりパッと見で極微細な塵/埃に見えますが清掃しても除去できません。またLED光照射するとそれらは「カビの芯部分」の為白っぽく浮き上がって見えます。
・光学系内の透明度が非常に高いレベルです。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑6枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正六角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「重め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

↑この当時の「M42マウント」仕様で『富岡光学製モデル』として捉えると実は貴重なマルチコーティングモデルでもあるのが今回のモデルです。

さらにコーティング層が放つ (3色目の) 光彩として「グリーン色の光彩」にもちゃんと意味があり、当時のMINOLTA製オールドレンズのカタログのコトバを借りれば「人の目で見たより自然な色再現性の追求」として蒸着しているのも大きな魅力の一つであり、その描写性にはさすがPlanar譲りの特徴も見られ、決して侮る存在ではないのですが、意外にもYASHICA製だからなのか市場での評価が依然低いままと言う『不遇なオールドレンズ』の一つでもあります。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離50cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

この実写はミニスタジオで撮影していますが上方と右側方向からライティングしています。その関係でフードを装着していない為に絞り値の設定によりハレ切りが不完全なまま撮影しています。一応手を翳していますがハレの影響から一部にコントラスト低下が出てしまうことがあります (簡易検査具による光学系検査を実施済で偏心まで含め光軸確認は適正/正常)。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2」で撮影していますが、絞り環の刻印では単なる「● (ドット)」です。

↑さらに回してf値「f2.8」で撮影しました。

↑f値は「f4」に変わっています。

↑f値「f5.6」になりました。

↑f値「f8」です。

↑f値「f11」で撮っています。ほぼギリギリですがまだ「回折現象」の影響が現れていないように見えます。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。