◆ Carl Zeiss (カールツァイス) 凹Ultron 50mm/f1.8《Oberkochen》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツは
Carl Zeiss製標準レンズ・・・・、
 『凹Ultron 50mm/f1.8《Oberkochen》(M42)』です。


手持ちの在庫7本を順にオーバーホールしてから出品してきましたが、いよいよ今回の個体で在庫が終わります。状態の良い個体を調達しようとすると、海外オークションebayでも市場 価格の高騰が続いておりさすがに今までと同じ価格帯ではもう手に入れることができません。(この7本の在庫調達はちょうど1年前だったから)

従って残念ながら今後は当分の間同型モデルを出品する事ができません。今回このモデルの 扱いが当方では累計で20本目にあたります。

↑本来このモデルのフィルター枠部分は「バヨネット式」なので一般的なオールドレンズのようにネジ切りされていません。フィルターから前キャップはもちろんフードに至るまでありとあらゆるものがバヨネット式で純正品が用意されています。

しかしさすがにそれら純正だけでアクセサリを揃えようとするといつになるか分かりません。そこで当方にてステップアップリングを調達して加工を施しこのフィルター枠部分にガシッとハメ込み式として用意しました。

バヨネット部分にハメ込むのではなくフィルター枠部分の内径にそのままガシッとハメ込む 方式なので、一度セットするとそう簡単に外せません (マイナスドライバーか何かを隙間に
差し込んでこじ開けなければ外せないくらい硬く入る
)。従って一度セットしたらその後は全て「⌀ 52mm径」の一般的な市販品が全てご使用頂けます (純正のバヨネット式アクセサリは 使えなくなります)。

このステップアップリングがご入り用の場合は、ご落札後の一番最初の取引メッセージにて その旨ご申告下さいませ。ステップアップリング代金と共に加工作業料も含めて「別途有償1,500円」を送料欄に加算しお支払い頂きます (当方でフィルター枠部分に填め込んでお届け します)。

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は「凹 Ultron 50mm/f1.8 Oberkochen (M42)」のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりましたが、残念ながら今回出品の個体は光学系の状態が経年相応です。特に前玉表面のコーティング層がカビ除去により剥がれてしまった為に相応の領域で視認できます。但し、コーティング層が剥がれた箇所には極薄いクモリなども生じていないので、光学系内の透明度に関してはクリアです (従って写真には影響しない)。

↑ご覧のように光学系内の透明度が高い状態を維持した個体で、LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群側もカビ除去痕が残っており、パッと見で点キズに見えます。まコーティング層のハガレは生じていません。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:18点、目立つ点キズ:12点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:16点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い14ミリ長が数本あります)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・前玉表面にカビ除去痕などによるコーティング層のハガレが相応の領域で起きています(写真には影響しないレベル)。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑10枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「重め」に感じ「全域に渡りほぼ均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります
・距離環を回す時のトルクは僅かに抵抗/負荷/摩擦を感じることがあります。
・距離環を回す時極僅かに前後でのガタつきを感じますが内部パーツの経年による摩耗なので改善はできません(直進キーの摩耗)。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

↑距離環を回すトルク感も内部パーツの「直進キー」が経年で摩耗している為、ごく僅かなガタつきと共にトルクムラが残ってしまいました。但しそうは言っても撮影時に違和感を覚えるほどのレベルではありません (普通にそのままご使用頂けると思います)。

その意味では特に光学系内のカビ除去が終わっており、もちろん清掃済ですしヘリコイドグリースも入替済なので今後安心してご使用頂けます。今回の出品に際し即決価格は低価格の設定としましたので宜しくお願い申し上げます。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離45cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありません。またフード未装着なので多少フレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。