〓 Carl Zeiss Jena (カールツァイス・イエナ) Biotar 58mm/f2 T silver《前期型−II》

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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧東ドイツは
Carl Zeiss Jena製標準レンズ・・・・、
Biotar 58mm/f2 T silver《前期型-II》(M42)』です。


このモデルの当方での扱い数は累計で今回の個体が60本目にあたりますが、その中で「前期型-II」は15本目にあたり、且つさらに光学系の透明度が非常に高い状態を維持しており何も問題点を指摘できない個体数となると「僅か2本目」と言う有様です。

ハッキリ言って戦後すぐに登場した絞り羽根が17枚装備のBiotarとして括るなら、まさに これ以上望みようがない完成度を維持している個体とも断言できます。

この当時に製産されていたオールドレンズにはお決まりの「極微細な気泡」は少々多めに存在しますが、それだけしか書くことがありません(笑) 意外にオーバーホールするとスカスカになり易い絞り環の操作性もワザと故意にトルクを与えて適度な抵抗/負荷/摩擦を伴うように してありますし、もちろん距離環を回すトルク感に至っては「ヌメヌメッとシットリ感漂う とても軽い操作性とピント合わせ」も実現できています。

従って、特に何も書くことが無くなってしまったと言う久々にバッチシなBiotarの出品です!

と言うのも、当初調達した時は距離環は重すぎてほとんど動かず、且つ筐体外装はアルミ合金材独特なほとんど白っぽい錆びが無数に生じている状態でした。

それをひたすらにゴシゴシと「磨きいれ」を丹念に施したのも、実はこの「仕上がった時の 晴れ姿 (眩い光彩)」と共に「イジる愉しさ (ヌメヌメ感/シットリ感)」を妄想しつつ、2時間も3時間もひたすらにゴシゴシです(笑)

なまじ恍惚感に堕ちていただけに飛んでもない時間を掛けてしまいましたが(笑)、その甲斐 あって筐体外装の光彩は「まさに工場から出てきたばかり」の如く眩いワケです(笑)

・・そういう事柄の一つ一つが実は「所有欲を充たす」とても重要な要素だったりしますから心の中でそっと想いを馳せて、隠れてニンマリしながらの「DOH」と言う次第です(笑)

このダブルガウス型光学系の有名なところではこちら本家の正真正銘Biotarではなく、パクリのロシアンレンズ「HELIOS-44-2」など「HELIOSシリーズ」のほうが人気ですが(笑)、実はそれらロシアンレンズの描写性は「骨太のエッジ/ちょっとしつこいくらいな目立ちたがり屋」的なピント面ですから、本家Carl Zeiss Jena製オールドレンズに於ける「決して繊細ではないのに繊細に写る」ピント面がまた初々しさを感じてしまい却って惚れ惚れするような印象です(笑)

後の黒色鏡胴時代に入るとこれでもかと言うコッテリ系のコントラストに至りますが、戦後すぐのこの頃のCarl Zeiss Jena製オールドレンズは意外にも情報量が多く見え (本当に多いワケではない) 解像感も高いように見え (これも本当に高いワケではない) 然し決してコッテリ系には至らない控え目な性格が個人的には好きです・・。

と言うのも、おそらくはこの当時の光学系の設計として「白黒フィルム」が大前提だったハズなので、総天然色のカラー成分が256階調のグレースケールへと割り振られる性分をちゃんと躾けてあるのが、カラーで撮影した時にちょとお腹一杯状態には決して至らない素性の良さへと繋がっているのではないでしょうか・・ロマンは広がっていきます(笑)

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↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程の解説などは「Biotar 5.8cm/f2 T silver《前期型−II》(M42)」のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。光学系内の状態良し、操作性の仕上がり良し、筐体外装の光沢感も良し、そしてもちろん描写性能も良しと、何もかもが優れたまさに逸品ですね。

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層の経年劣化進行に伴う極薄いクモリが皆無です。但しご覧のように「極微細な気泡」は少々多めです (写真には影響なし)。

気泡
光学硝子材精製時に適正な高温度帯に一定時間維持し続けたことを示す「」と捉えていたので、当時光学メーカーは正常品として出荷していました。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群側も光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層の経年劣化進行に伴う極薄いクモリが皆無です。但し「極微細な気泡」は少々多めです (写真には影響なし/前群よりも後群のほうが微細になり且つ多めです)。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:17点、目立つ点キズ:12点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い4ミリ長が数本あります)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内には大小の「気泡」が複数あり、一部は一見すると極微細な塵/埃に見えますが「気泡」です(当時気泡は正常品として出荷されていた為クレーム対象としません)。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑17枚の絞り羽根もキレイになり絞り環操作共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に円形絞りを維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。もちろん「光沢研磨」も合わせて処置しているので当時のような眩いほどの光彩を放っています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

↑完璧なオーバーホールが終わっています。距離環を回すトルクはス〜ッと軽いチカラだけで動き「ヌメヌメとシットリ感漂う極軽いチカラだけでスムーズに回る」当方独特な感触でファンの方々皆さんが喜ばれます。もちろんトルクは「全域に渡って完璧に均一」なので、極僅かなトルクムラさえありません。逆に前述のように絞り環側には僅かに抵抗/負荷/摩擦を与えてスカスカ感を感じないレベルでシッカリした操作性に仕上げています。

こういう細かい部分までこだわって処置できるのがオーバーホールの良いところですね(笑)

なお、一部のヤフオク! 出品者が指摘していましたが当方の筐体外装「光沢研磨」は研磨剤を使ったり薬剤を塗って「光沢感を出しているだけ」ではありません(笑)

アルミ合金材なのでちゃんと処置後エイジング処理を行っており「素のままのアルミ合金材」ですから被膜が完成しています (コンパウンドや光沢剤などを使うとベタベタ感が残りますが 当方が仕上げたオールドレンズは一切そういう感触がありません/そう言う薬剤などを使って いないから)。

こういう憶測だけで指摘するのは卑怯なのでやめてほしいと思います(笑) まぁ〜ご落札頂いたご落札者様1名様だけはこれら当方の話が嘘偽りではない事を確かめられますね(笑) その意味ではもしも疑念を抱かれる方は是非とも当方がオーバーホール済で出品するオールドレンズはそのままスル〜して頂ければと思います。ヤフオク! には沢山の信用/信頼が高い出品者様がいらっしゃいますから、そちらの出品商品を是非ご検討下さいませ

要は自分で解体できず整備もできない出品者が適わないからと苦し紛れで冷やかしや批判するのでしょうが、意外とそういう出品者が海外にまで居たりします(笑)

逆に言うなら「本当に落札者にとってメリットに感じることとはどう言う事なのか」を追求すれば、それは自ずと「当たり前のことを当たり前にやろうとするとコストも時間もお金もかかってしまう」ワケであり、そんな事は実はこんな当方がやっている作業だけの話ではなく、数多く様々な業種や業態に於いても相通ずる話であり、真摯な姿勢で顧客に対峙している企業こそそういう「本質」をちゃんと理解してコストと時間とお金を費やしてまでこだわりを貫いているのだと考えますね(笑) そういう会社には自然に顧客がついて高い信用/信頼で互いが結びつくのだと考えます。残念ながら当方にはその信用/信頼がありませんが(笑)、いつの日にか それを手に入れられるよう『転売屋/転売ヤー』なりに一生懸命努力して頑張っていきたいと 思っています

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離90cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありません。またフード未装着なので多少ハレーション気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」です。

↑f値「f16」での撮影です。そろそろ「回折現象」の影響が現れ始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。