〓 CORFIELD (コーフィールド) LUMAX 50mm/f2.4 zebra《ENNA製》(L39)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
写真を閉じる際は、写真の外 (グレー部分) をクリックすれば閉じます
※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、イギリスは
CORFIELD製標準レンズ・・・・、
 『LUMAX 50mm/f2.4 zebra《ENNA製》 (L39)』です。


今回の扱いが当方では累計で3本目にあたりますが、海外オークションebayでもなかなか出 回りにくい稀少品の一つです。

イギリスの光学カメラメーカーCORFIELD社が創立されたのは戦後すぐの1948年ですが、今回出品するモデルは何と敵国だった旧西ドイツはENNA WERK製と言う完全委託生産品でした。当初CORFIELD社は同じイギリスのWray Optical Works (レイ光学製造) 社のパテントによる光学系を実装し内製でオプション交換レンズ群を作っていましたが、途中から旧西ドイツのENNA WERK (エナ工場) 社による完全委託生産へと切り替えています。

実際に当方で当初の内製品をオーバーホールしたところ、例えば標準レンズの「LUMAX 45mm/f1.9 silver (L39)」などを見てもとても光学メーカーの設計とは言い難い特異な (異質な) 構造になっており、ハッキリ言って自社で設計/製産したところどうにもならないと観念し委託製産に切り替えたのではないでしょうか。

一方今回の出品モデルは「Lens made in W.Germany」と刻印があるので、旧西ドイツのENNA WERK社製OEMモデルと捉えられますが、そもそもENNA WERK社の自社生産品の中に同じ開放f値「f2.4」のモデルが存在しません。先に登場していた標準レンズ「LUMAX 50mm/f1.9 zebra (L39)」のほうは実装光学系にやはりイギリスのWray Optical Works社のパテントを示す刻印がありましたが、今回のモデルには刻印が無いので完全なENNA WERK社による新規の設計生産とみています。

当方がこのモデルに注目している理由があるのですが、シアンに振れる発色性を好むまさにENNA WERK社の特徴を持つと共に大変鮮やかで独特な輝きを持つ赤色の表現性と、さらに 違和感の無いブル〜の美しさに惹かれるからです。日本ではなかなかポピュラーなイメージの無いどちらかと言うとマニア向けのような印象のオールドレンズですが、近年特にファン数を増やしているものの残念ながら市場流通品はコーティング層の経年劣化が酷く、なかなかキレイな光学系の個体をチョイスできない状況に至っています。

ましてや開放f値「f2.4」モデルは海外オークションebayでも滅多に流れないので光学系の状態が良い個体となれば気合いを入れて調達した次第です。イギリスのCORFIELD社のこだわりと旧西ドイツのENNA WERK社のシアンに振れた発色性とが織り成す素晴らしい表現性を是非 お楽しみ頂きたいと思います。

  ●               

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程の解説などは「LUMAX 50mm/f2.4 zebra《ENNA製》(L39)」のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。今回出品のこの個体も同じでしたが、バラしてみると例によって「白色系グリース」塗布による過去メンテナンスが施されており、且つヘリコイド (オスメス) のネジ込み位置ミスからアンダーインフ状態に陥り無限遠合焦しない状況でした。

CORFIELD社製オールドレンズの中で標準レンズのゼブラ柄モデルに 関しては「懸垂式ヘリコイド方式」を採っている為、距離環を回しても製品全高が僅か「1.5mm」しか変化しないと言う「インナーフォーカス」タイプに等しい構造です。

左写真はその「インナーフォーカス」の状況をご案内しており、無限遠位置の場合はご覧のように奥まった位置に前玉がありますが、最短撮影距離位置まで距離環を回して繰り出すとフィルター枠の内側で 前玉がズズ〜ッと繰り出し始めて伸びてくるような印象です。

左写真は最短撮影距離位置まで繰り出した状態ですが、それでもフィルター枠のネジ山には突き当たらないので、フィルター装着状態でも問題が起きません (繰り出し/収納が可能)。

従って特にこのモデルのオーバーホールは難易度が高いので「原理原則」を熟知している整備者で無い限り適切な微調整で組み上げる事ができません。

また一部に落下などによってフィルター枠部分が変形している個体が流通していますが、前述のこの仕組みなので必然的にトルクムラの影響を受け易い為「要注意」ですね(笑)

今回出品個体はとても軽い操作性で仕上げており、特に距離環を回してピント合わせする時の「ヌメヌメッとシットリ感溢れる独特なピント合わせの感触」を是非ともお楽しみ下さい
ませ。

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。パッと見では一見すると「微細な塵/」が入っているように見えますが、実はこの当時のオールドレンズに多く見られる「微細な気泡」であり正常品と見なされていました。

気泡
光学硝子材精製時に適正な高温度帯に一定時間維持し続けたことを示す「」と捉えていたので、当時光学メーカーは正常品として出荷していました。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群側もクリアな透明度を維持しており、同様にLED光照射でも極薄いクモリが皆無です。当初バラす前の実写チェック段階では極僅かに甘い印象のピント面でしたが、検査具を使って光路長確保したので鋭いピント面に仕上がっています。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:15点、目立つ点キズ:10点
後群内:16点、目立つ点キズ:11点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い6ミリ長が数本あります)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
光学系内にパッと見で拭き残しのように見える箇所がありますがコーティング層経年劣化に伴う汚れ状のため清掃しても除去できません(クレーム対象としません/写真に一切影響せず)。
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・光学系内には大小の「気泡」が複数あり、一部は一見すると極微細な塵/埃に見えますが「気泡」です(当時気泡は正常品として出荷されていた為クレーム対象としません)。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑7枚の絞り羽根もキレイになりプリセット絞り環/絞り環共々確実に小気味良く駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正七角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。もちろんクロームメッキ部分も「光沢研磨」を施したので眩い光彩を放っています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

↑距離環を回すトルクはとても軽くスムーズに操作でき、且つ全域に渡って完璧に均一なトルク感を維持したまま「インナーフォーカス」でス〜ッと繰り出し/収納が実現できています。スパッとピントが会う瞬間の気持ち良さを是非ともお楽しみ下さいませ。

なお一応当方で所有のマウントアダプタ (K&F CONCEPT製) に装着した際、基準「」マーカーがちゃんと真上に来るよう位置合わせをしてあります (但しマウントアダプタによって異なります)。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離50cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありません。またフード未装着なので多少ハレーション気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に変わっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」です。そろそろ「回折現象」の影響が現れ始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

↑f値は「f16」に上がりました。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。